9月21日(日)に開催された全日本スーパーモタード選手権第6戦で、2大会を残して佐合潔が最高峰クラスのシリーズタイトル獲得を決めた。全日本がいまの体制になって2年連続チャンピオン。その佐合に、レースへの想いについて聞いてみた。

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DS:まずは年間タイトル獲得、おめでとうございます。ところで佐合選手はいま、ホンダでお仕事をされていますよね?
「ありがとうございます。今年もいまの地元である熊本で、チャンピオンを決めることができました。これも支えてくれるみんなのおかげです。すでに若い人たちの中には、僕が全日本モトクロス選手権を走っていたことを知らない人もいるかと思いますが、僕はいま、ホンダでバイクの開発に携わっています。だいたい1年とか2年とか先のマシンで、現在はCRF系に関わっています」

DS:ということは、仕事でもがっつりバイクに乗って?
「完成車をまとめる立場なので、そこまで乗っているわけではないです。もちろん、平日の業務中にモタードの練習ができるわけでもないですね。そもそもシーズン中は、モトクロスのテストや練習はしても、レース以外でモタードマシンに乗ることはほとんどないです」

DS:それでも連続チャンピオンですが?
「それは、チームのみんなががんばってくれているから。僕が走っているのは、言ってみればホンダの社員によるクラブ活動チーム。いろんなチームの合同になっている部分もあって、今回のレースで言えば半分は熊本製作所のメンバーで、半分は関東から来ています。大会によって、関東に近ければそちらのメンバーだけで運営することもあります」

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DS:どのような人が参加しているのですか?
「社内でも、例えばエンジンの馬力を引き出すのがうまい人や、完成車としてまとめるのに長けている人とかに、僕が声をかけて手伝ってもらっています。僕が速く走るために協力してくれて、価値観が共有できる人たちを、どんどん入れています。一方で、若い人たちにも声をかけて、育成の場としても機能させています」

DS:ホンダとしてのバックアップは?
「クラブ活動として、年間の計画に対してある程度のまとまったサポートをしてもらっています。逆に僕らが会社に返せるものとしては、レースという現場を通じての人財育成。それから技術のフィードバックです。レースの少ない時間でバイクをセットアップし、前の大会で不具合があればこちらも業務外の限られた時間で対処する。こういうことの繰り返しで、人と技術が育っています」

DS:ところで佐合選手は、00年に全日本モトクロス選手権125ccクラスのシリーズタイトルを獲得。モタードでも、これまで何度となくチャンピオンになってきました。それでもまだ、高いモチベーションを保ってレースを続けています。その原動力は?
「僕はバイクが好きなので、とにかくモタードに限らずモトクロスでも何でも盛り上げていきたいんです。レース活動をやめることは簡単ですが、この業界を育て、みんなが楽しめる環境をつくることが僕の目標。だからモタードでは、ホンダ系のライダーがレース現場でマシンを壊してしまったときに、そこで終わってしまわないように、貸し出せるスペアエンジンなどを用意しています。今回もある全日本モトクロスライダーを呼んだのですが、今後はモトクロスやロードレースのライダーをどんどんサポートして、スポットでもいいので参加してもらいたいと考えています」

DS:ロードレースでは、スライドコントロールなどのスキルアップに有効とされるモタードですが、モトクロスでも効果がありますか?
「モトクロスとかエンデューロのライダーにも、モタードはトレーニングとして効果的。とくに、コーナリングスピードが上がります。ヨーロッパのモトクロスライダーのように、コーナーを速く走るための技術につながると思います。普段のマシンに17インチのホイールを履かせるだけでも、トレーニングとしては十分なので、モトクロスやエンデューロをやっているライダーも、ぜひ挑戦してください!」

DS:ありがとうございました。次号のダートスポーツでは、そんな佐合選手の密着レポートをお届けします!

 

PHOTO&TEXT/TAMIYA TORU

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