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鈴木健二さん、忙しい合間を縫って取材に協力していただきました!
今週末はいよいよJNCCほうのき大会ですね。
私宮崎も日曜日だけですが会場に行きます。
忙しい週末が目前でしたが、つい先日、鈴木健二さんのライテク取材をする機会がありましたので、そのタイミングでYZ250Xにプチ試乗させていただくことができました。取材の合間を縫っての短い試乗で簡単なことしか書けませんが、まずはざっくり感じたことを。
以前アップされている鈴木健二さんとIAカズトの対談のなかで、「宮崎さんくらいが、中級ライダー(YZ250Xを楽しめる)の入り口じゃないですかね」とカズトが話していたので、実際どうなのか確かめてみようと思ったわけです。
果たして僕が楽しめるのか。またはレース参戦する気になるマシンなのか?
昨年はハスクバーナの2スト250(TE250)、今年はGASGASの2スト250(EC250)に乗っているので、それらとの比較もできるかなと思いました。また同日にBeta2016インプレ取材も同時におこなったので、RR2T250と300にも乗りましたので、その比較も出来るかなと。
まず、YZ250Xの第一印象は、圧倒的に軽い! ということ。普段乗っている2スト250とは、違う感覚です。ポジションやサス、エンジン特性と言う前に、その軽さが、とてもモトクロッサー的だなと感じました。
専用チューンされたサスペンションの初期の吸収性はもちろん体感でき、ガレ場や細かいギャップ、木の根が生えるトレイルルートでもしっかり衝撃を吸収してくれました。すでにYZ250FやYZ250FXで健二さんのマシンに多数乗らせていただいているので、サスペンションに関しては期待どおりです。ただし試乗車はまだアタリが取れていないのか、やや固さを感じました。カズトのレベルでは「もっと固くしたい」と思ったようですが、今回の車両に乗った限りでは僕はもう少し柔らかくしたいですね。でも固すぎるという感覚ではありません。もう少し柔らかくしないとレース後半で疲れるかな。しかし腰感というか、落ち着き方は、さすが健二さん達が作ってきただけあって、モトクロッサーとはまったく別物です。またアタリがとれたサスの印象はだいぶ違うはずなので、別の機会でも乗るべきかと思いました。
車体の軽さは武器に違いありませんが、リア周りの軽さとレスポンスの良さもあってか、旋回中にアクセルを急開すると、ときにスライドを誘発しました。Betaはこの辺のバランスが秀逸で、自分からアクションを起こせばスライドコントロールできますが、基本的に動きが落ち着いているので、ビビる瞬間が皆無なんです。4ストローク全般にも同じことが言えるかもしれません。しかしYZ250Xのこの動きはオフロードの楽しい要素でもあり、好意的に捉えることができました。状況に応じてラインを変えていくような場合に、戦力になりそうです。
こちらはYZ250FXに乗る鈴木健二さんのライテク取材時の画像です(先を見越したラインの選びかたの解説)。YZ250Xは、こういう細かいラインの変更が自在にできそうです。
KTM、ハスクバーナ、GASGAS、BETAといった海外車よりも、全体的にモトクロッサーに近い感覚があります。長時間乗ったときに、軽さが武器となり助けてくれることも想定できますし、逆にバイクを抑えるコントロールができていないと苦戦する可能性もあります。
鈴木健二さん仕様のサスペンションは、スタンダードよりも柔らかめであることは皆さんご存知だと思いますし、私も健二さんのサスは大好きです。リバルビング含め、レートや油面などの調整をしっかりやれば全く問題ないでしょう。
最も開発に力を入れたというエンジンですが、まったく不満がありませんでした。確かにKTMでいう「2速のまま極低速で粘ってもエンストしない」なんてことはなく、やはり停まる寸前にはエンストしました。しかし実際そんな状況は、少なくともクロスカントリーやローカルMXレースでは少ないはず。僕の速度域でも十分コントロールしやすいものでした。タイトなウッズの切り返しでも問題なし。
全体的にタイトなコースでしたのでアクセルを開けてはいませんが、このYZ250Xが外国車との差別化をはかったという高速域の回りかたは、MXコースで十分堪能できるはずです。
クラッチはワイヤー式ですが、やはり油圧で柔らかいタッチに馴れているので、固さを感じました。クラッチを使わずアクセルコントロールできる人は関係ないかもしれませんが、僕はクラッチを多様するほうなので、正直重いと感じました。日頃国産モトクロッサーに乗っている人は特になにも感じないかもしれません。
セルフスターターの恩恵を日頃から受けている身としては、やはり付けて欲しかったと思います。
ただセルがなくても、エンストしにくい特性なので、「スタートからゴールまで基本的に停止しないクロスカントリーならなくてもいいのかな」と思うことができました。ストップ&ゴーのあるJECは、やはりセルが欲しいです。
僕の印象をまとめると、
・エンジンの下の粘りは僕のレベルでも十分あると感じました
・サスペンションはアタリが出ていないか、やや固く感じたが、動きの質はすごくいいです
・軽快さを武器やファン要素として捉えると、楽しみ方が広がりそう
・ぜひモトクロスもやってみたいです
という感じです。また別の機会があればぜひ乗ってみたいと思います。
取材の翌日、YZ開発に携わっている元IA2チャンピオンのインタビュー取材の機会があったのですが、YZの魅力をお聞きしたところ
『乗ったときの、体に伝わる楽しさ、喜び。ときに恐怖を感じるほどの力強さ』と表現されていました。
YZのDNAとして伝わる要素は、このYZ250Xにも受け継がれていると思いました。
YZ250Xに「恐怖」は感じませんが、外国車よりも元気なエンジンだと思いますから、ゲレンデの登りやMXコースで開けたときの快感は大きいでしょう。しっかりコントロールして楽しむ乗り物だと思います。
ベータモータージャパン代表の門永さん、ウブカタジャパン産方さんと。
この日はBetaのRR 2T 250・300、そして300ccのX-Trainerにも試乗させていただきました。試乗インプレはダートスポーツ11月号で掲載しますで、マシン詳細はそちらをご覧ください。
私のプチインプレとしては、相変わらずベータはバランスが最高で、文句なしです。不思議なのは、スタンディングが苦手な僕でさえも自然に立てるそのポジション。ハンドルも短く、攻めて走るのも、リエゾンで流すのも余裕なのです。
この感覚は4ストでもそうでしたし、昔から変わりませんね。
ザックス製サスペンションのしなやかさも秀逸ですし、エンジン特性は250、300とも扱いやすいです。250のほうが全体的に軽さを感じ、自分でコントロールできるのに対して、300は開けなくても進んでくれる手軽さがあります。
ベータは年々250と300のキャラクターの違いを明確化しているようです。僕が国内レースで使用するなら軽快感を感じる250かな。
また先日取材した125SXでも見られた、水平方向に備えられているエンジンブラケットの効能で、荒れた路面でのブレーキング時などで、リアの突き上げによるショックが軽減されていると思います。これは上級ライダーほど効果を感じるポイントだと思いますが、僕のようなライダーでも恩恵を知らないうちに受けているはずです。
(ちなみにダートスポーツ11月号は2016KTM SX&EXCスペシャルハンドブックが別冊付録として付いてきますので、ぜひお楽しみください!)
上がBeta RR2T 250、下が125SX。両車とも今年から採用された新形状ブラケットということで、リアからの前転モーメントを抑制し、振られを低減する効果を発揮してくれそうです。
エアフィルターボックス底部のドレンが、なぜか蓋が廃止されている(ボックス内の水の流出性能を上げたとも言えますが)ので、川渡りをする際などは注意が必要ですね。
注目の分離給油(オイルインジェクション)システムは、走行性能という面では感じるものがありませんが、シンプルに「便利!」ですね。
充実の2ストローク250。あなたならどのマシンに乗りたいですか?
この記事の著者について
- キース宮崎
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