ダースポweb限定で連載する【Let’s DIY Transporter】。今回はバイクを固定する要となる「フックの取付け」についてご紹介しよう。

ご存知の通りオフロードバイクは比較的軽量なので、オンロードバイクに比べればトランポ内でのバイクの固定はカンタン、と言って良いだろう。とはいえ、それなりのコツを掴んでおくことで、さらに手際よく確実な固定ができる。スマートに積みおろしできるライダーは、それだけで上級者っぽくてカッコイイもの。そのためのひと工夫を惜しまずにやってみよう。

0.イメージ

オフロードバイクは軽量なため、固定用のフック&ベルトに大掛かりなものは必要ない。この例のように、ハンドルだけの2点留めが普通だろう。

ハイエースの純正フック

ハイエースの純正フック

ハイエースの場合、床に4箇所の純正フックがついている。頑強で頼りになるのだが、オフ車を積む場合、前側のフック位置が後ろ過ぎて、バイクを前方向に引きにくい。

純正フック

純正フック

ハイエースの純正フックはトヨタの純正部品として購入することもできる。値段もそれほど高くないので、DIYでフックを増設する時などに役立つパーツだ。

キャラバンのユーティリティナット

キャラバンのユーティリティナット

キャラバンは、壁、天井、タイヤハウス前後などに多数のM6ナットが埋め込まれている。拡張性が高く、工夫次第でさまざまな位置を利用できる。

2.キャラバンのユーティリティナット (2)

純正フックの位置がベストポジションではない…というのは、仮にトランポの王道、ハイエースを手に入れたとしてもよくある話。そんなときは、後付でフックを取付けなければならないのだが、よくあるのが、車の内装パーツ(天井や壁)を留めているピンを外した穴を使う…という方法。

ハイエースの天井の場合、内装を留めているピンを外すと、鉄板に開いた穴が現れる。これを使って、フックを取付けよう…というDIY派は多いのだが…。

ハイエースの天井の場合、内装を留めているピンを外すと、鉄板に開いた穴が現れる。これを使って、フックを取付けよう…というDIY派は多いのだが…。

このようなピンを留めている穴。ピンを外してみると鉄板に穴が開いていて「これはある程度の強度が期待できそう!」と思ってしまうのだが、実はここに落とし穴が。。。

下の「写真A」のように、ボディに直接穴が開いている場合は、この穴を利用して、アンカーナットなどを活用し、フックを付ければ相当な強度が期待できるが、「写真B」のように、実は、内装材を留めるためだけの小さな鉄板がスポット溶接でボディに付いているだけ…というケースがある。ハイエースの天井部分にある穴はほとんどがこのパターンなので、これだけにバイクを固定するフックの強度を期待するのは、ちょっと厳しい。内装を剥がさないと分からない部分なので、注意しよう。

写真A:ボディにあるグロメット穴/このように、ボディの鉄板に直接穴が開いている場合は、これを利用してアンカーナット+ボルトを使えば、ある程度の強度は期待できる。それでもボディの鉄板は意外と薄いので、過信は禁物。

写真A:このように、ボディの鉄板に直接穴が開いている場合は、これを利用してアンカーナット+ボルトを使えば、ある程度の強度は期待できる。それでもボディの鉄板は意外と薄いので、過信は禁物

写真B:ボディにあるグロメット穴2/ハイエースの天井脇にあるグロメット穴の正体はこれ。確かに鉄板だが、あまり強度は期待できない。アルミのハンガーパイプぐらいならOKだが、バイクを固定するフックのアンカーとしてはちょっと役不足だろう

写真B:ハイエースの天井脇にあるグロメット穴の正体はこれ。確かに鉄板だが、あまり強度は期待できない。アルミのハンガーパイプぐらいならOKだが、バイクを固定するフックのアンカーとしてはちょっと役不足だろう

後編へ続く!

■取材協力:オフタイム(広島県呉市)ダイワカーズ(広島県三原市)ブルーコーンズ(島根県浜田市)OSP(静岡県浜松市)

■TEXT/OSP高瀬裕之
「トランポプロ」シリーズなどを手がける株式会社OSP代表取締役。ダートスポーツ本誌のほうでも長くトランポ連載記事を担当して頂いた。その分かりやすい解説とアイデアに溢れたトランポグッズの開発などにも定評がある

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