基本的には昨年同様の体制を踏襲、ファクトリーチームとして4年目のチャレンジとなるHRC。

今大会、チームのプロジェクトマネージャーとなる本田太一氏のコメント「トップ2のバレダ、ゴンサルベス以外の3名は新規加入ですが、基本的には全員がトップ争いできるライダーが揃いました。チームオーダー的にはトップ2には特に優先順位はなく、勝てるライダーをバックアップしていくという作戦をとることになります」とのこと。
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ラリーを戦う底力
年々大幅な進化を続け、昨年の時点でライバルKTMを、マシンの性能面では凌駕していた感のあるHRCラリーチーム。2015年、ラリーの前半にマイナートラブルで失速しかけた時も、素早いリカバリーで体制を立て直し、ゴンサルベスとバレダによって、ラリーのペースはHRCのものになっていた。多くのリタイアを出したウユニ塩湖の過酷なステージでバレダのマシンにトラブルが起き、結果的に僅差でKTMに敗れることになったものの、マラソンステージで見せたチームワークは、HRCが培ってきた、ラリーを戦う底力を証明することになったと言えるだろう。加えて今年は、さらにチームライダーを強化。マシンではすでに優位にあり、苦い経験も数多く積みそれを克服してきた。HRCは、ついに今年、最大のチャンスを迎えることになる。

強化されたチームライダー
ミシェル・メッジら新しいライダーを迎えたチームだが、ここはやはりツートップがラリーを牽引するものと見て間違いないだろう。パウロ・ゴンサルベスは、2006年以来、10度目のダカール参戦。昨年も粘り強いラリーを見せて2位。スピードと安定性。ライバルKTMを打ち破る最有力候補だ。続いてもちろんホアン・バレダ。2011年の初参戦から6度目のラリー。昨年も含めて過去4回の完走。ステージウィンが多い割には、総合成績が良くないという特徴のあるライダー。ミス、クラッシュが多いのだが、昨年のラリーを見る限り、安定感は増している。バレダとゴンサルベスのどちらが前に出るかは、ラリーの状況次第というのは、本田氏のコメントそのままだろう。新たに加入したメッジは、パリダカ草創期に活躍したレジェンドを父に持つサラブレッドで、フランスヤマハからの移籍。パオロ・セッシはイタリアのエンデューロ出身。リッキー・ブラベッグは、BAJA500、BAJA1000でも優勝経験のあるアメリカのデザートレーサー。過去最強の布陣のHRCは、序盤からKTMを抑え込んでいきそうだ。
BIGTANK

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昨年2位のパウロ・ゴンサルベス

 

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昨年のラリー、前半はKTM勢を従えてラリーを牽引したホアン・バレダ

 

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今日の一コマ。ウユニは凍えるほどの寒さであることから、今年から移動区間にはウォーマーの入ったRSタイチのグローブを採用したとのことで、ロボコップのまねをするゴンサルベス。

 

HRCラリー
http://www.honda.co.jp/DAKAR/race2016/formation/

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Enduro.J & BIGTANK magazine
特設2016ダカール速報チーム。現地に飛んでいるEnduro.J稲垣と、アーカイブを交えた原稿起こしを担当するビッグタンクマガジン春木のコンビが、2016年のダカールを斬ります!

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