15分の休息と駆け引き、戦っていた伊藤さん

伊藤さんは、斑尾の1周目、ほぼ全員を追い越したけれど、途中で二人に追い抜かれてしまいます。しかし「冷たい汗出るダウンヒル」を制御不能かと思うようなスピードで、まるでロードレースマシンの様なバンク角と共に、一気に二人を抜き去りました。このときSHINKOタイヤの性能にかなり助けられたとか。

SHINKOタイヤの開発メンバーの面目躍如といったところでしょうか。

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ただ、一周目を一気に走破したため、体力のコントロールが不能になってしまい、パドックで体力とマシンの回復に15分弱かかってしまいます。その後はかなり焦るレース展開になってしまったそうです。これは今後の課題とのこと。また、2周目以降は、有利なはずの沢でも渋滞に巻き込まれてしまい、伊藤さんのマシンでも追い越し不可能となってしまったそうで、これもイメージどおりにいかなかったと。

それでも2位を10分以上引き離し優勝。今回はチャンピオンのロッシさんがエンジントラブルでリタイアというアクシデントもありましたが、もしエンジントラブルがなくてもかなり良い勝負になったと思います。

3年はG−NETで戦う

伊藤さんはすでに次回のレースの事も視野にいれています。

今回の学びとして、自分のポジションの正確な把握、消費レベルのコントロール、ヒルクライムのリヤがフカフカ路面で失速している状況でのアクセルコントロール(トライアルではあまり出てこない状態)、タイヤの性能を生かす。エッジのきかせ方、路面のつかみ方。ダウンヒルのコーナリング(加速と入れる)、滑る沢、岩でのマシンの走らせ方、座って速く走らせられる状況、立って速く走らせられる状況、フロントサスペンションの考え方…。

また、今後の課題としては、SHINKOタイヤの525Xをもっと理解すること。モトクロスのコーナーリング、トラクション走法のレベルup、ジャンプ時のハンドルコントロール、足つき走法の確実性とスピード、60%の負荷のコントロール、タイヤを生かす走り、スムース、スピード、エアーの3点が必須…。

とあらたな目標をたてて練習されています。

伊藤さんがめざすハードエンデューロの今後は、3年でロード、モトクロス、トライアル、エンデューロにならぶカテゴリーとして発展させたいということ。「その為なら私が得た情報を100%公開します。この競技を発展させるプロライダーとして活動し、関わっている人達皆と共に発展したい。皆で進んで行きたい」そうです。そのためには勝つことだけでなく、生きる方法、考え、メンタルが大切だと考えているとのこと。

伊藤さんは、今後3年間気合をいれてG-NETにエントリーされるそうです。今年は色んなジャンル、特にトライアルライダーがハードエンデューロに興味を持って参加しようと思っているようですが、軽い気持ちでエントリーしても、そう簡単には優勝できないと思いますよ。

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