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SSスタート前に、真横の寺院の木陰で休みます。
お坊さんも優しそうに見守ってくれました。
メグさんも元気に順調に来ています。
しかし毎日とにかく暑い! 水分がどんどんなくなっていくので、水分、塩分補給は大切です。暑いけれど、、、やはりプロテクターは最大限しっかりつけておくべきですね〜。今年は怪我人が多いので、余計にそう思っています。もちろん、皆さんしっかりつけていますが、それでも負傷してしまうので、つけていなかったら、、、
非日常の世界、アジアクロスカントリーラリーも、いよいよ明日が最終日。
時間を追うごとに、いろいろなことを考えます。
「楽しい」という気持ちはもちろんあるのが前提ですけど、実際問題、自分の命がかかっている。つまり大きなリスクも背負っていることは間違いありません。
今日はLEG5、前半SSでワイドオープンに飛ばしていた所、ジャンプに気づかず突っ込み、僕の悪い癖でハードブレーキングしたまま行ってしまい、高速前転する危険性がありました。ラリー中の不用意な飛び出しでハスクバーナFE501のWPサスペンションに助けられるのは、2014年以来。一瞬頭の中に火花が散って、目の前を虫のような残像、、、が横切りました。
そのあとのフラットダートでもやはりアクセルはあいてしまうのですが、ふと考えるわけですよ。ラリーに行く前に、何かがあったときのことを家族にもっと話しておくべきだったんじゃないかとか、ね。
今日洗車をしながら、同じような目にあった小柳さんと話していたんですが、行き着くところは、過去に掲載したオグショー小栗さんの「ラリーは完走しなければいけない」という言葉。それが重いとおっしゃってました。日本では味わえないワイドオープンを味わえる魅力と、大転倒してしまう危険性は紙一重です。
僕が言いたいのは、このラリーは手軽に出場できるけれど、決して甘く見てはいけないということ。ハンドルが取られるディープサンドや、日本ではあまりない異常に滑る土(雨の勝沼以上と言っておきましょう)、ふかいマディ。底の見えない水たまり。川渡り。ハードギャップ、ガレなど、あらゆる路面を走れるオフロードスキルは持っておくべきです。そして海外の交通事情はリエゾンで関係してきますから、適応力も。
小柳さんは、15年前のプノンペンは、舗装路などなかったとおっしゃいます。今は近代化が進み、人々の生活も格段に良くなり、発展しているのが伝わります。
交通事情は、遅いスクーターやトラックを抜く車はガンガン対向車線にはみ出しているし、路肩のダートは対面からスクーターがやってきたり、とても乱雑なんですが、ある意味暗黙のルールがあって成り立っているようです。
ちなみに今年の初参加者の多くの方から、よく「ウェブや雑誌の記事を何度も何度も読み返してきました」「記事を見て参加を決めたんです」というお言葉を、連日たくさんいただいていて、感謝しています!
僕の書いた記事の細かいところまで読み込まれていて、本当、しっかり書いてこのラリーの魅力をお伝えしなければと、改めて思います。
ということで、ラリーの厳しさも、魅力のうちに含まれるものなのですが、実際に参加してる僕だから書けるライダー目線で、しっかりお伝えできればと思います。
いつかこの記事も、誰かの役立てられるように、、、。
さて、昨日のLEG4。
SSは31km、94kmの2本。
平均時速100kmという、とてつもない高速SSを堪能しました!
途中で撮りたい風景があったら撮影しようと思いましたが、アクセルを閉じる勇気がなかった(笑)。アクセルワイドオープンの魔力に取り憑かれてしまうのです。
というのも、この日はとにかく荒れていないクリーンなダートが多く、ナビゲーションも難しくない。つまり開けて開けて開けまくるレースだったのです。
そんななかで、テンション上げまくりの小野さんが僕を猛スピードで抜いていきました。すげえなあああ、と感心していたら、バトル中に右コーナーを曲がりきれずアウト側の溝へ脱落。
たまたま前後に僕たちがいたから気づいて助けられました。
とはいえ、結構な深い溝の中。引き上げるのはきついけど、やるしかないかと思いきや、トラクターに遭遇。すぐに止めてロープで引っ張ってもらいました!
後から来たライダーへは、問題ないから先に行かせたんですけど、ロープが張られていたから「住民が怒って通行止めにした」と思ったそうです。実際はその逆で、すぐに助けてくれたんですが。その後小野さんはなんとか復帰してフィニッシュ。今日も元気そうに走っていましたから、本当、ラリーをエンジョイされている感じがします。
そして今日はLEG5。
6:30にホテルをコンボイでスタート。
SS7は41.96km。
今日も路面は固くしまり、高速ラリーをエンジョイしました。
しかし、冒頭に書いたように、やばかった場面もあり、、、、。
無事にこうして記事を書いていられることが、大事なんだと思います。
ゴールはここではない。
アンコールワットにFE501を持っていくことなんだから!
SS8は131.6kmと長めの設定。
スタート前は猛暑になり、体力と体の水分がどんどん絞られていきます。
このコースはどんな路面なのか、それはマップだけの情報からでは読み取れません。その場に行って初めてわかるシチュエーションの数々が、連続してやってくる。これがラリーの楽しいところです。
今回はのっけからフカフカのサンド。そして細かい分岐。昨年のLEG3を彷彿させていて、迷い道の覚悟を決めましたが、実際はナビは簡単。
路面はやはりとにかく高速フラット。しかし時々大きな穴に遭遇。
これでクラッシュしたライダーも多数いるので、注意が必要です。
僕はまだ油断してはいけませんが、2014年に続き2回目なので、あの時の恐怖心は少し和らぎました。遠くから路面の色を見て、怪しそうなところがわかるようになってきました。
正直高速ダートでは停車して写真を撮る余裕もないです。
ということでとにかく可能な限り開けていきました。112kmあたり、終盤で倒れているライダーを介護する場面に遭遇。元気な60代、走る歯医者さんこと福村先生が凹凸でクラッシュしてしまったようです。
先生は大腿骨骨折で搬送、残念ながらリタイアになってしまいました。
今回はクラッシュ、負傷が多いです。
とにかく明日は安全にゴールを目指します。
昨日のLEG4、本日のLEG5は超高速ダートステージで、クラッシュするライダーも多数でました。今年は雨が降らず、カンボジアのハードパックをアクセル全開で駆け抜ける、日本では味わえない快感を得ています。
本日SS7スタート前。牛の糞ルーストをウエアに浴びたコーケン吉野さん。
それを笑う坂本さん。
と思ったら、大事なバッグを牛に踏まれとるし!
牛さんのおかげで、大渋滞でした(笑)
ライダーはこのタイムカードを携帯します。各自に割り当てられた時間を守るのです。
この僕のカードの場合、ホテルからのスタート時間は7:03。実際にはコンボイで移動したので計測されてはいませんでした。このリエゾン80.11kmをターゲットタイムの1時間45分以内で走るという決まり。そしてSS7スタート前にタイムをチェック。これは前日までの順位の順番(上位から1分間隔ずつでスタート)で決まります。僕は8:46にチェックしてもらい、そこから5分後の8:53にスタート。前のライダーのゼッケンを覚えておかないと、チェックしてもらったりスタートする順がわからなくなります。腕時計はもちろん電波時計をチョイス。この世界時計で管理されていますから。
SSフィニッシュ後もタイムが記録され、サインして終了。
サービス隊が待機しているエリアでしばし休憩し、次のSSスタート地点まで、マップを見ながら走っていきます。
ちなみにこれは泉本さんが、どこかのバイク屋でプラグレンチを作ってもらったもの。
昨晩のタイ麺は絶妙でした。
この記事の著者について
- キース宮崎
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