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こんにちは!
モデル兼モータージャーナリストのREIです!

前回は、自己紹介と僕のダートに対するヘタレっぷりを懺悔させていただきました。それでは、今回から北4本編へと突入してまいります。

レースが始まる前に、通過しなきゃいけない難関

北海道に着きまして、何はともあれ北の幸。出張の楽しみといえば、グルメです。
はい、もちろん食べました。必殺の豚丼。
そして夢中で飲み込んだので写真がありません。なので、割愛いたします。豚丼は飲み物、絶品だったとだけ記しておきます。

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レース前の準備といえば、ステッカーやデカールの貼り付けです。これでレースの8割が決まると言っては過言です。え?

でも、レースに出られるのは、アルパインスターズのウェアのおかげなんです。完璧なエンデューロウェアがラインナップにあるおかげで、裸族で北海道警察に連行されずに済むのですから。

装備のインプレはまた改めて。

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レース前に一番ドキドキするのが、受付と車検です。
準備不足が祟り、ここで痛い目に遭うライダーをたくさん見てきました。僕も車検でやらかしたことがあります。
ルールがあって、そしてマナーがあって、エントラント全員が共通の意識を持って競うからこそのスポーツであり、レースになるんですね。

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アフリカ師匠、世紀末覇者ファッションを纏い、闘気と書いてオーラと読む威圧感で車検官さんを威圧している訳ではありません。とても優しい方ですから、お見かけの際は、アフリカツインのツボなどぜひ聞いてみてください。開発をされた方とお会いできただけでもとても幸運で光栄なことで、職業柄かバイクオタクだからか、それとなく秘匿情報を聞き出そうと、ついついチャレンジしてしまいました(笑)。

ホンダの極秘情報は教えてもらえませんでしたが、開発にまつわるエピソードを教えていただきまして、それはまたどこかでトークショーがしたいですね。(偉い大人の方、察してください)

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持ち物検査をクリアし、車両検査へ。
車検官さんも必死ですが、こちらも必死です。レースあるあるかもしれませんが、例えば共通の競技規則が元になっているはずでも、各サーキットで違うことを言われたり、あっちで通ったものがなぜかこっちでは弾かれそうになったり、車検はなかなか渋いものです。

北4のマーシャルさんたちは、最高でした。

当たり前のように聞こえるかもわかりませんが、皆さんが共通の感覚や気持ちでいらっしゃいました。すべてのレースがそうではなかった、というのが僕個人の感想です。運営側と参加側、その両者が一緒になっていいイベントにしようと、実際にとても雰囲気のいいイベントになっていました。暖かくて、明るいイベントだったんです。

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ウィンカーつけてくださーい、ライト〜、ホーン〜、なんて。緊張してます(笑)。

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無事に車検に合格し、車両保管です。これで晴れてレースに出られる、北海道4デイズに参加できるというわけです!

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交付されたゼッケンを貼り付けます。
僕は「ゴー! レイ!」を略したであろう50番。いくですよ、やるですよ、せっかくですから、何か持って帰りますよ!

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アフリカ師匠は、シクヨロであろう49番です。

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コマ図を渡され、作戦会議です。全員内股です。

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例えば、ガソリンスタンドの位置、チェックポイントやSS(スペシャルステージのこと)や、大事なことをこの一見ガムテープに見える、まあガムテープなんですけど、普通のガムテに書いて、バイクのタンクなど、走りながら見やすい位置に貼り付けます。

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さっ、というわけで、いよいよラリーが始まります‼︎

ある日突然「ラリーに出てみませんか」とお誘いいただいて、「YES」と。もちろん外国人みたいにイエスなんて言ってませんが、僕は即お引き受けしました。そんな挑戦を、そんな経験をさせていただける機会なんて、人生にそう何度もありません。ダートが苦手とか、食わず嫌いとか、下手とか、飼ってる鳥がなつかないとか、本当は犬が飼いたいとか、そんなの関係ありません。

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今でも頭に浮かぶのは、北海道のダイナミックな景観、多分HDR。境目がわからないほどに、透明になって混ざり合った空と海。一本の道が遥か視線の先で地平線と交差して、牛がのんきに寝そべる横で、干し草ロールが点々と大地に落ちていて、コロネが食べたくなる。数十kmにも及ぶダートを走った先に、ふと気付けば人里から、文明から離れ、草原の中でポツンと一人、もののけ姫にこんなシーンあったなオイと。

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バイクで行かなくちゃダメなんです。バイクで走らなくちゃダメなんです。バイクでしか見えない見え方があるんです。

アフリカツインだからこそ、見える景色がある

クルマや自転車で行ってもきっと最高だと思います。ただ、アフリカツインに身を委ねて、そこから見えたものは、他では味わえないと思います。
リエゾン区間では、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)のおかげで、オートマ状態でとにかく快適でした。ブロックタイヤで公道を走るだけで、僕にとってはほとんど初めてのことで平常ではありませんでしたから。

ちょっと豪快に話が逸れますが、僕はビッグオフローダーやビッグデュアルパーパスが大好きなんです。スーパースポーツはサーキットを走るもので、公道では、サスペンションの長いバイクでひらひらするのが好きなんです。家にあるナンバー付きのバイクの中では、妻のWR250Xの稼働率がもっとも高いかもしれません。

昨年の一年間は、DUCATIのムルティストラーダと過ごしました。アフリカツインと同じ車格でライバルと言えますが、他にはBMWのR1200GSなどもありますよね。この手のバイクが大好物の僕は、自分にこんな傾向があるように感じていました。
それは、「公道では、モタードかビッグデュアルが良い」ということなんですが、それは見晴らしの良さや、ライディングポジションの楽さもありますが、前提条件がひとつありました。林道に行かないこと、つまりはダートは走らないということです。

となると、必然的に前後17インチがベストチョイスに定まるわけです。近所そこらを走るには、250ccならではの気軽さや小回りの効く機動性から、WR250Xが解。東京を出て、長距離を走ったり、荷物がある場合には、ムルティストラーダが最適。

こう思っていたわけなんですが、平たく言うとGSはツアラー、ムルティはスーパースポーツ、そんなキャラクターで、先進の可変バルタイや電制サスペンションを擁するムルティに個人的に萌え興奮し、それがなくても特に重要なのが、ムルティはオンロードに特化したデュアルパーパスなので、前後17インチなんです。デュアルなのにオフ行けねー…と思ったあなた、鋭い、そうです、あんまりオススメしません。そこそこ行けるのですが、あくまでソコソコです。オフ率が高いのなら、GSがいいでしょう。今やムルティストラーダエンデューロというモデルが追加されたので、DUCATIでダートを走りたい天邪鬼さんはこちらへどうぞ。僕も気になります。

とこんな具合に、ブレない趣味といいますか、そういう価値観が僕にはあったのですが、北海道4デイズでアフリカツインに抱かれて(わお♡)、後頭部を金属バットで撃ち抜かれて別人格になったかのように、すべてが変わってしまいました…。

WR250Xじゃなくて、WR250Rだったらオフロードも走れたのに‼︎
モトクロッサー買わなくてもよかったじゃん‼︎
別腹だから買うけどさ‼︎
いや、そこは買うよ⁉︎
でも、もしもWR250XがWR250Rだったら、林道行ってたんじゃないの‼︎ どうなの⁉︎

熱くなっておいて、自分を擁護するようですが、WR250Xは妻のアシになればと、婚約指輪代わりに贈ったバイクなんです。でも、自分用に買うにしても、かつての価値観なら迷わず17インチのモタードにしてますね。

仮に、WR250Xを選手交代するときが来るならば、僕はアフリカツインのDCTモデルにします。MTモデルとは迷いません。僕にとっても妻にとっても楽して乗れること、これが大事です。そして、いざSSが如く鬼神の走りをするときには、DCTだからこそ、ブレーキングなど他の作業に集中できます。でもそれって競技よりも、実生活で有用な装備ですよね。レース用バイク、通勤用バイク、どっちも一緒です。ライダーがやらなくちゃならないことはいくらでもあるので、作業は減れば減るほど、かえってバイクの本質的な楽しみに近付くのではないかと考えています。
極端な表現をするならば、煩わしさはノイズなんです。普通に乗っていてギヤシフトをノイズと思ったことはないですが、いざ無くなってみると、なくてもいいんだと目から鱗でした。競技に限定すれば、むしろない方がスポーティーでした。

例えばウィリーとか、限定的な技はMTの方がやりやすいでしょうけども、一般的なバイクライフのうちの99%は、前輪が接地していることを考えると、僕はDCTの虜です。これから登場するCBR1000RRを、MotoGPと同じシームレスミッションにしてくれとまでは思わないですが、買えなくなっちゃいますからね。だけど、DCTだったら素敵ですね。ホンダさんお願いします、世界一の圧倒的な技術力を、もっとえげつなく使っちゃってください。おもちゃメーカーではなくて、インフラメーカーな立場で大変でしょうけど、わずか150万円弱でこんなに素晴らしいバイクを世界に供給できるホンダさんはやっぱりスゴイ!

最後に、GSをツアラー、ムルティをスーパースポーツと表現しましたが、アフリカツインはオールラウンダーです。一番難しい役回りですよね、攻撃もできて守備もできて炊事洗濯もできて。合コンに来て欲しいタイプは、美人で優しくて料理上手の床上手。幹事の子に言われちゃいます、そんな子いないよ〜って。尖ったバイクをお探しならば、世界にはKTMやBMWやDUCATIなどイロイロありますが、万能型はHONDAにしか作れません。
そんな子がここにいた。もう、金メダルあげちゃう。

今回の結論。
「北4って、あの北海道を走れるってだけで、もうサイコーです」
「DCTは神」

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