大神智樹とは何者か。

 

 

ルーツをヨーロッパに持つエンデューロの、世界最高峰のレースがEWC(エンデューロ世界選手権)です。60年代からFIM統括のヨーロッパにおけるエンデューロ選手権は開催されていましたが、1990年に世界選手権として稼働。90年代のオフロードバイク雑誌を読んでいた方には「ポール・エドモンソン」「カリ・ティアイネン」「ジョバンニ・サラ」らが活躍したレースといえば解りやすいでしょうか。

その後もユハ・サルミネン、ステファン・メリマン、マリオ・リナルディ、アンダース・エリクソン、ミカ・アオラなど数々のレジェンドを排出。近年ではアントワン・メオ、マシュー・フィリップスなどが活躍しているEWCです。

そして2017年はクラスの統廃合が進み、大きな変革期となっています。すなわち、
いままでENDURO GP(オーバーオール)、E1(2t125cc/4t250cc)、E2(2t250cc/4t450cc)、E3(2t300cc/4t500cc)というクラス分けだったのですが、今年からENDURO GP(250cc超)とE2(2t/4t250cc以下)に変更。このレギュレーションには賛否両論あるようですが、参加人数の増加による熾烈さを増していることは間違いないでしょう。

さて、そんなEWCのE2クラスに、エンデューロ競技を始めて2シーズン目を迎えた20代の若者、大神智樹君が参戦することになりました。

彼のキャリアを簡単に説明すると、元々兄とともにトライアルをおこなっていた大神君は、トライアル国際B級を取得。彼は大学ではサッカーに勤しみ、ゴールキーパーとしてレギュラーをつかむほどの運動神経の持ち主。そんな彼がたまたまアルバイトに訪れたのがハスクバーナ東名横浜でした。そこでバイク熱に再びとりつかれることに。

そんな折、偶然にも筆者である私、宮崎もハスクバーナ東名横浜で事務所を間借りしたり、アジアクロスカントリーラリーや国内エンデューロ参戦のサポートを大崎店長にしてもらったこともあり、この時期に大神君と出会いました。

ショップイベントなどでハスクバーナのエンデューロバイクに親しんだ彼は、2015年全日本エンデューロ選手権最終戦SUGO 2デイズエンデューロのナショナルクラスでデビュー。2016年からJEC、JNCCに積極的に参加し、JECナショナルチャンピオンを獲得しました。

トライアルはリアタイヤを滑らせない
トライアルは膝下を自由にする
トライアルはアクセルを開け続けて攻めることをしない

 

などなど、同じバイクを使いながらもかけ離れたトライアルとエンデューロ。エンデューロスキルを急速に吸収し、勉強した彼は、「国際レースに出たい」という夢をもつようになりました。

そこで大崎店長の欧州時代のつてもあり、イタリアンのハスクバーナチームでレースサポートを受けられることになり、EWCへの参戦となりました。

世界選手権は各国のトップライダーが集まる最高峰の場。かつて小池田選手などが参戦し、強烈なハイレベルの世界であることは百も承知ですが、それでも本人自らが望んで決め、慣れない英語を駆使して自分でエントリーしました。つまりチャンスは世代、キャリア関係なく、誰にでも掴む意志と行動力があれば実現するということ。本物のエンデューロを見て、どんな成長を見せるのか楽しみです。

このストーリーはそんな大神君のEWC参戦を紹介するものです!

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