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残念ながら、私のAXCR2018は、LEG4、SS4、110kmで終了しました。
人生初のLEG3で6位、総合10位にいたところからの急転落です。
悔しさ。
自分の備えの少なさ。
スキル不足。
完走をできなかったこと。
チームや応援、協力していただいた方への申し訳ない気持ち。
自分の時間を投げ打って手伝ってくれたライダー達への感謝。
このマップは取っておきます。これからのために。
このウォーター地獄から抜け出したい。前半SSのウォーターベッド。私は最初に脇道が見つからず、まんまと川に突入。しかしバイクが浮きそうなくらい深いところがあり、そのことでミスコースと勝手に判断、別の道を行くなど、一時ミスコースも喰らいました。脇道の細さ、滑る路面、時折ある細い一本橋。ここから脱輪するとアウトです。その辛さから写真を撮る余裕もなかった(バランスが悪い)のですが、わずかな瞬間が訪れたので一枚撮影。
ラリーにタラレバはありませんが、この最難関のSS4も前半9番手タイムで通過、後半も順調に走り、110.77kmのマップのT字路に出ていたら、残りは乾いた路面が続き、割と良いタイムでフィニッシュできていたかもしれません。
決してタイムを出そうとか考えていたわけではなく、この水地獄から抜け出したかっただけでした。
そして後半SS。多くのバイク、車が間違えたY字路で左に進み、すぐにミスコースと判断。
右へ進むと深い水たまり。それまでに永遠と続いたウォーターベッドと同じように、ソロソロ走ったつもりですが、
今思えば、もっとゆっくりでもよかったかもしれません。深い泥水に隠れた路面のギャップにすくわれて転倒。
キルスイッチが泥つまりで効かないこともあり、マフラー側から水に浸かったままエンジンが回っていました。
その時点で次にやることはプラグを抜くなど水抜きを優先することでしたが、早くここから脱出したいあまりに、セルで何度かトライ。これが致命的でした。
その後江連さんがやって来て、水抜きや押しがけなどに1時間以上付き合っていただいてしまいました。
坂本さんも止まってくれて工具を貸してくれたりと、今回も本当にお世話になりました。
もう感謝しかありません。
2台並走で江連さんの肩を掴み、押しがけを試みるも、今度はリアタイヤのムースがパンクしていて、並走不可能でした。これも使用期限を超えたムースをラリーで使用し続けた致命的なミスでした。
その後、前半 SSでウエストバッグを田んぼに落とすなどしていた松本さんがやって来て、「自分のラリーは終わったから、付き合う」と、彼もまた長時間付き合っていただきました。
地元の子供達に身振り手振りで「バイクが壊れたこと」「ロープを貸してもらうか、耕運機に乗せて国道まで出て欲しい」と頼むと、ようやく少し年上の少年が理解してくれて、呼んでくれました。
やや多めに謝礼をUSドルであげて、バイクと私が荷台へ。松本さんがゆっくりと並走してくれました。
少し走るとハンモックに揺られている田崎さんを発見。最初は体が疲れたので休んでいるのかと思いましたが、実はSSでぶっ飛んで足を痛めていたのでした。ここで荷台にバイクを2台乗せて、ライダー2人も荷台へ。
時速10kmくらいで、でこぼこだらけのダート道を揺られること約2時間。その間田崎さんは揺られるたびに悲鳴をあげるほどで、私も連日の疲れでお尻、腰がもう辛くて辛くて。
国道で出てからも話は長いです。降ろしてもらった商店の方が、多分良かれと思って、すぐ側の警察に電話。私たちはカンボジア語がわからないので、トラックとともにやって来た男性が金額交渉で譲らず、何度もボスに電話すると言って話を中断。私服だったので、かなりヤバイ系の人かと思っていました。
大会事務局のカンボジア人に携帯で交渉してもらい、ようやく彼がポリスマンで、事情聴取をしていることが判明。パスポートの写真撮られたり、名前や年齢聞かれたりして、日が暮れて来て焦りも出て来ました。バイクで転んだ場所、状況などを知りたがったようです。すぐ近くの警察署にバイクを押して運び、数人がかりで積載。ようやく夜中にホテルへたどり着いたのでした。
ホテルまでの道中で、屋台での夕食。
ヌードル、すごく美味かった。
長い長い1日でした。
その日の23時前にはホテルに到着。そこからチームジャパン大崎さんにも手伝ってもらい、復旧をこころみるもかからず。各部の水抜き、プラグ交換、エアクリーナー交換、バッテリーを充電、セルモーターやインジェクションの確認、燃料タンクのガソリンの交換、押しがけ、車からのジャンプスタートをやりましたが、異音が聞こえ、明らかなハンマーノック状態でした。
今日は走るのをやめて、サービス隊へ合流。昨年と同じく、田崎さんと5日目にサービス隊へ。初参加の外岡さんも水没の影響で始動できなかったため、ご一緒しました。
途中で昼食。カップ麺でしたが、パクチーや野菜が入り、相当美味しかったです。
カンボジアでは民家の軒先で瓶入りガソリンが売られています。
2014年最初に見たときは、なんでどこの家でもジュース売ってるだろうと思っていました。
この年にSS300kmマラソンステージ(途中サービスエリアがなくハイオクを給油できない)があり、私を含め皆このガソリンを大量に入れて走りました。オクタン価が低いはずで怖いですが、大きな問題はなし。
ラリーはいよいよ明日最終LEG、そしてプノンペンでゴールします。
5年目にして初めてフィニッシャーズメダルをもらえず、その悔しさを噛みしめる1日になりそうですが、
ここまでのラリーを走りきったライダーやドライバー、関係者を讃えて、セレモニーゴール地点で迎えようと思います。
そして、私の来年以降に向けてのリベンジは、この瞬間始まります。
この記事の著者について
- キース宮崎
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