今回ご紹介するDIRTSPORTS RT with Team JAPANのメンバーは尾登さんです。バイクはハスクバーナFE350。

チームには元モトクロスIBライダーが2人いらっしゃいますが、尾登さんは現役IBライダーです。

普段は関東選手権などに参戦されています。

今年は本誌のチームとして初めて参加し、みなさんのラリーの期間を通しての変化がすごく面白く、印象深いものでした。尾登さんは何度か練習会などで顔を合わせたりしました。またチームのメッセンジャートークでもなるべくいろんな情報を共有しようと思い、伝えたつもりですが、何しろラリーは濃いイベントなので、事前でできることは、結局は表面上のものしか伝えられません。

やはり、実際に参加して、出てみて、初めて感じるものだからです。

尾登さんは、日本の観念とのあまりのギャップに驚かれていました。

初日のSS1スタート地点までのリエゾンからして、衝撃だったようです。

日本人向けブリーフィングに参加するメンバー。各日の注意事項などを日本語で説明してくれる日が設けられています。

ラリーは実際走ると分かるものがありますが、スタートを切るまではどうすればいいのか、なかなかつかめないと思います。

ラリーに関するあらゆる情報はHQ(ヘッドクオーター)の前の看板に掲示されます。

翌日のコースの変更箇所や個々のスタート時間(リスト)、ブリーフィング情報、デイリザルトや総合リザルトなどなど。

 

パタヤでセレモニースタートを切る土曜日。タイ到着〜整備〜金曜日にパーティ、土曜日に車検、そしてセレモニースタートと、怒涛の濃い日が続くAXCR。

 

 

AXCRを振り返って、ひと言で言えば、全てが最高の体験でした。
実際は、ホテルに帰るのが夜中になったりキツい日もありましたが、それも楽しい思い出です。

AXCRは他のラリーと比べて、1日の走行距離や泊まる場所など、極端にキツすぎないちょうど良さがあり、それが楽しむ余裕になっているのかなと感じます。
ただ、初めてのラリーで、ラリー競技のリスクについては強く感じました。
基本的にクローズドではないので、何が飛び出してきてもおかしくないところで競い合う訳で、速く走るためには、少なからずリスクを負わなければならず、自分はぜんぜんアクセルを開けきれませんでした。
それでも実際危なかったこともあり、無事に済んだことは運が良かったと思ってます。

ただ、ラリーは無事に走りきることが大前提なので、順位にこだわらず、無理をせず、最後まで楽しむ事ができれば、それが最高なのではないかと感じました。

 

西田さんと道中に話し合う尾登さん。二人はチームメンバーですが、たとえ初対面でも、たとえ国籍が違っていても、ラリーの中で知り合う人とは、仲良くなれます。そんな魅力がAXCRにはあります。

ラリーは人間性が出るので、お互いの知らなかった面や、すごい!と思える面も知ることができます。

 

 

公道での交通ルール?マナー?というか、アジアの常識にはカルチャーショックを受けました。
基本的に、遅い車は追い越すものであり、反対車線にはみ出るのは当たり前、反対車線の人もはみ出てくる車を避ける必要があり、公道でも常に緊張しっぱなしでした。

他にも、道路脇には自由な動物がいっぱいいて、それがフラフラと道路内に入ってくるので、自分は高速走行中に牛と激突寸前でした。
あのカオスのような公道走行は、SSの何倍ものインパクトがありました。
バイクについては、性能、耐久性共にまったく問題なしで、ハスクバーナFE350は本当にいいバイクだと思います。

 

初日はこのAXCRのペースが厳しかったりと大変そうだった尾登さん。「SSの方が落ち着く(笑)」という言葉が印象的でした。

ホテルまでの帰還中、疲労と眠さが極限に達して、思わず路上で仮眠。地元の人が何事かと思ったでしょうね〜。その後、マイペースで走り、確実にゴールへと向かう尾登さんでした。

 

タイのメーソットを抜け、ミャンマーへの国境を越える日。バイクで国境を超えて、まだ見ぬ国へ入るのはワクワクします! AXCR事務局が事前に色々な処理をしてくれるので、行き帰りはすごくスムーズでした。

ミャンマーに入ると、コンボイで警察署で一時待機。管理用と思われるステッカーを貼られました。

紙製なので、その後の水渡りや洗車で剥がれましたが(笑)、、、。

ついについにミャンマーのネピドーでゴール!

無精髭が格好いい、タフなライダーの顔になっていった尾登さんもまた、今回のAXCRで色々な表情を見せてくれたライダーでした。

 

本当にいろいろな意味で助けられましたし、チームのおかげでこのラリーを何十倍にも楽しむ事ができました。とは言え、やはり面識のない人達で作ったチームなので、レース前に顔合わせはしているにしても、レースが始まるまでに打ち解けるのは難しかったのが正直なところです。
しかしレースが始まって苦楽を共にして行く中で、どんどん打ち解けていき、やはりラリーに出るという、ちょっと変わった!?人達の集まりなので、当然気も合うし、みんな人間的にも尊敬できる人達ばかりで、本当に素晴らしい仲間達とチームが組めたことに感謝しています。

反省としては、荷物を吟味して、もっと身軽な状態を作る必要がありました。
結局は人間が動いて操るものなので、人間が動きやすいこと、あとは長丁場なので、ストレスを減らすことが最重要だということを学びました。
少しくらい工具が足りなくてもみんなが助けてくれる!くらいの割り切りが必要ですね。

それと、チームウェアはすごくよかったです。目立つ色だったし、一体感がありました。
チームシャツも格好よくて目立っていて最高でした。
これらはチームとして必須ですね。

(尾登孝広)

 

(写真提供:AXCR)

 

 

 

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