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Hirokoオイル=広島高潤。その名をご存知のかたは、モータースポーツにおけるエンジンオイルの性能の大切さを熟知しているはずです。
エンジンのパフォーマンス、耐久性、熱ダレ特性、シフトフィーリングなどを左右し、過酷な使われ方をするモトクロッサーやエンデューロレーサーにおいても重要な役割を占めるエンジンオイル。人間に置き換えるなら、血液に値します。
そのくらいに大事なものですが、果たして、その性能やライディングフィールの違いは一般のライダーが分かるものなのでしょうか。答えは、YES! ガソリンと混合し燃焼させる2ストロークエンジンオイルはもちろん、4ストロークエンジンオイルもアイドリング、発進〜加速、低速から高速まで、想像以上にオイルによって感じられる体感差は大きいです。それは本誌2020年6月号オイルテスト特集で、メイン上級ライダーと共に試乗した本誌スタッフの岸澤、宮崎も改めて感じたことでした。
その中で、2ストローク、4ストローク共に特に高性能に感動したのがHirokoでした。
2020年6月号にて、埼玉県モトクロスヴィレッジで2ストロークオイルテスト『Dirt Pro1』をテストした青木優治さんは「(Honda CR125Rが)144ccにボアアップしたようなトルク感とパワー感。始動させた瞬間からフィーリングの良さを感じ、特にタイトターンの上りのエンジン負荷がかかるところで良さが際立ち、半クラッチを使わずとも車体を進めることができる」とコメントされています。
Dirt Pro-1
3,300円(税込3,630円)
2st エンジンオイル
トルクフルで高回転のふけあがりが最高な「Dirt-Pro1」
“成分:100%化学合成油
エステルベース+特殊エステル(混合・分離両用)
「Dirt-Pro1」はトライアルライダー、そしてエンデューロライダーに大人気のオイルです!
■Ver.1は「感性」と比べてトルクフルで、高回転まで更にスムーズにまわります。吹けが良いのに、マイルドなのでトラクションをキープしたまま吹けあがります。
トルクフルな特性が微妙なアクセルコントロール域でのトラクション向上にもなっているので長時間乗ってても疲れにくいと思います。
マディーにも強いのでハード系(難所系)エンデューロやトライアルに最適です。
■Ver.2はVer.1と比べて「吹けあがり+パワー」がいっきに出てきます。
低速をあまり使わないスピードコース(モトクロス/スピード系エンデューロ/JNCC)や、高速回転を多用する~150ccまでのオフロード車に適しています。
■カーボンの付着が少ないです。
■サイレンサーもタールによる詰まりが少ないです。
■粘度は20番
≪推奨混合比≫
トライアル 国際級 90:1(吹け重視)
国内級 80:1(トルク重視)
エンデューロ 250㏄ 60~70:1(クロスカントリー系)
250㏄ 70~80:1(ハード系)
125cc 50~60:1
今回は本誌宮崎もYAMAHA YZ125Xで『Dirt Pro1』のVER1と2をテストしました。
試乗コースは長野県ワイルドクロスパークGAIAのエンデューロコース。まさに青木さんが言われているように、始動時からこのオイルの質の高さが分かります。私も様々な銘柄のオイルをその場で交換(ガソリンごと)することで、その性能の違いをモロに実感しました。
青木さんも言及されていましたが、1速高いギアで低中速区間を走れるのが大きな武器となります。前述のモトクロスヴィレッジのようなモトクロスコースではタイトターンの立ち上がり、エンデューロコースではウッズの切り返しや、狙ったラインへの飛び込みや、立ち上がりなど。4ストロークに比べてもシフトチェンジ回数が多くなることなく、また半クラッチ操作も必要以上に増えないため、とても楽に走ることができました。
元々YZ125XはYPVSによって低速特性が優れているマシンなのですが、このオイルを使用するとさらに際立ちます。それでいて中速域からの伸びも良く、乗っていて楽しいことこの上ありません。コストパフォーマンスも私は高いと感じています。ちなみにVer.1とVer.2の違いですが、Ver.1はマイルドでトルクフルな特性を持ち、マディを含めたエンデューロ、クロスカントリーに適しています。JNCCで活躍中の馬場大貴選手も愛用中ですね。Ver.2はトルクに加えて高速域のパワーも強く、モトクロスなどハイスピード系レースに適しています。この2種類の違いは私個人的にはさほど大きく感じられませんでしたので、例えばゲレンデの高速区間が長いJNCC神立などは、どちらのバージョンを選んでも外さないのではと思います。
一方4ストロークオイルも、かなり好印象でした。同じく2020年6月号ではIAワタライ(渡會修也)氏が千葉県成田モトクロスパークでテストを行い、「高速域の伸びが抜群で、広いゲレンデなどで差がつきそうです」と絶賛。
まずは10W-40からテストしました。車両はYAMAHA YZ 250FXです。
Factory MX PRO 10W-40
4,100円(税込4,510円)
4st エンジンオイル
オフロード専用!極低速トルクと伸びる高回転!
“成分:100%化学合成油
エステルベース
IA-1ライダー監修の下テストにテストを重ね遂に完成しました。
過酷なレースにおいて最高のパフォーマンスを発揮しながら、エステル100%により油膜形成保持能力に優れ、高い耐久性と保護性能を実現しました。
熱ダレも起きにくく、フィーリングは、エステルの持つ油膜形成保持能力により爆発の吹き抜けを防ぎ、トルクフルで尚且つ非常に滑らかで伸び切りの良さを体感できます。
高回転を維持してもしっかり油膜を形成します。
またエステルの効果によりクラッチミート時にほとんどショックが発生しないため、スムーズに加速し安定した走りができます。
また、低粘性のためにクラッチの切れが良いです。
冬:モトクロス/エンデューロ/ハードエンデューロには「10W-40」が良いと思います。
(450㏄は15W-50 Ver.1が良いです)
夏:直線が短いコースや沢など低速トルクを使うコースの場合、モトクロス/エンデューロ/ハードエンデューロには「15W-50 Ver.1」(便宜上の粘度グレードは50番)が良いと思います。
夏:直線が長いコースや長いヒルクライムが多いコースの場合、モトクロス/エンデューロには「15W-50 Ver.2」(便宜上の粘度グレードは50番)が良いと思います。
Ver.3は便宜上の粘度グレードは55番で、Ver.2に比べて敢えて油性を落とすことによりクラッチの滑りを抑えた仕様となっています。主にKawasaki 450cc専用オイルです。
林道を楽しまれる方にもオススメです。
セローなどには「Spec-R 5W-30」が合います!
まずエンジンフィーリングですが、IAワタライ同様、高速域の伸びが顕著で、モトクロスやハイスピードなクロスカントリーに適しているかなと感じました。普段使用しているエンジンオイルに比べるとレスポンスが良く、乗り始めでは、慣れるために手元のモード2スイッチを押して、ややマイルドにすると最適でした。ちなみにベースモードは「MXパワーモード」なので、標準にするとまたイメージは異なるかもしれません。しかし、細かいウッズや木の根、轍のあるセクションでもオーバーランすることなく狙ったところへバイクを進ませることができ、リズムよく走ることができました。
シフトフィーリングも上々でした。熱だれ感もないので、上級ライダーにも受け入れられる高性能オイルだと思います。
次に5W-30。スーパーモト佐々木貴志選手が愛用していると言われているこのオイル。
粘度が低いので想像通り、超レスポンス型になりました。それは出だしからすぐに分かるもので、走る走る!
アイドリングから最初の出だしで軽やかに回り、前にぐんぐん進んでいきます。軽さ、加速間、レスポンスが楽しい! 正直オフロード初心者には難しいと思いますが、慣れてきたら逆に楽ができる部分もあります。アクセルを少し開けるだけで軽くフロントを浮かすことができるのは、例えば木の根が張ったトレイルの上りなどで役立ちます。また頭蓋骨大のガレ場では、抵抗がなく越えてくれるので、ガレそのものに慣れているライダーなら、かなりアリです。ただし、再発進が必要なガレの登りはテストをしていないので不明です。また、深いサンドでのコーナー立ち上がりは失速がなくパワーを生かして曲がることができ、むしろ簡単に思えるほど。ただし、気をつけていないとオーバーランしますので、ラインを外さないようにアクセルワークが慎重にならざるを得ません。そこで、手元スイッチでモード2にしたところ、ややマイルドになり、しっかり走れるようになりました。
今回テストを行った以外にも多くのラインナップを持つHirokoオイル。
オイルだけでこんなにもフィーリングが異なる世界。
ぜひあなたも体験してみください。
この記事の著者について
- キース宮崎
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