昨夜1月29日(日)、大阪府高槻市にてビバーク大阪の2022年プレゼンテーション(ISDE・エルズベルグロデオ・ENDURO-GP・ROMANIACS・AER・Algeria eco race観戦ツーリング・欧州ツーリング・マシン輸送説明会・ファン交流会)が開催されました。

今季3年目を迎えるビバーク大阪チームには新たに4タイム全日本モトクロスチャンピオン、熱田孝高選手が参入!

「2016年に現役を引退してアドバイザーやタイヤテストをしていましたけど、何かが物足りなかったんです。やはりアドレナリンが出るレースがしたかったんですね。JNCCに参戦したものの、なかなか勝てませんでした。その原因はモトクロスのように全開で走り、止まれずに崖落ちしたり、ぶつかってしまったりというものでした。昨年、70パーセントで走ることを覚えて勝つことができたんです。今回はご縁がありGASGASを走らせていただくことになりました。初外車です! まだ(ダートスポーツの)試乗でしか走ったことがなく、明日阪下(翌日曜はプラザ阪下でシェイクダウン。この様子は次号本誌にてレポート予定!)で走ります。すごく楽しみですし、今季は全部勝とうと思っていますので、ぜひ応援よろしくお願いします!」

エンデューロGPに参戦する保坂修一選手(昨年度全日本エンデューロ選手権IAランキング2位)は、

「僕はエンデューロGPに参戦することに当たって夢があります。それはGPの中で輝けるライダーになりたいということです。その上で、全日本エンデューロチャンピオンは通過点として必ずなし遂げたいです。ぜひ応援をよろしくお願いします!」

とコメントしてくれました。

 

昨年G-NET(全日本ハードエンデューロ選手権)で初めてのチャンピオンを獲得した山本礼人選手は「レッドブル ルーマニアックス」に挑戦。昨年は全日本エンデューロ選手権にも取り組みNBチャンピオンにも輝いています。

「エルズベルグロデオの唯一の日本人フィニッシャー、田中太一選手に憧れてハードを始めて10年めになります。
昨年全日本チャンピオンを獲得できましたが、太一さんに少しでも近づいて、世界を見たい。そういう思いでルーマニアックスに挑戦します。ルーマニアックスは日本人エントリーがなく、未知の世界です。プロライダーの走りを目の当たりにして高みを目指したいですね。昨年からビバーク大阪、RG3さん、たくさんのサポートをいただいていますが、現地ではGASGAS EC300をレンタルして、サスペンションは持ち込む予定です。身長が平均より低めなのでローダウン仕様のサスを持ち込んでセットアップします。

車両にもよりますが、このレースはライセンス不要、エントリー費、渡航費、レンタル含めて60万から80万円あれば参戦できます。興味ある方はぜひ僕に声かけてください。クラスもたくさんあって、アイアンマン、ブロンズ、シルバー、そしてゴールドは50台くらいの参加で完走15台くらいです。僕はゴールドクラスに参加し、最低でも完走。トップ10に入るつもりで行きます。太一君にはこれから真剣に相談します!」

 

全日本エンデューロ選手権ウィメンズに参戦中の太田晴美選手も保坂選手と共にエンデューロGP(ドイツ大会)へ参戦を表明しており、エンデューロGPの魅力や特徴を話してくれました。

「私はマニアックなところは知らないんですけど(笑)、エンデューロGPは2005年にジュニアクラスができて、ウィメンズは2010年からスタートしています。クラスは基本的に排気量ごとに分かれ、ジュニアは23歳以下、21歳未満の2st125限定のクラスもあります。ウィメンズは車両、年齢制限なしです。オープンクラスにはシニアクラスもあるので、ぜひ参加してみてください。

金曜夜にスーパーテストという、アリーナクロスのようなコンパクトな会場に人口セクションが設けられたレースがあります。観客も間近に見られるんです。翌日からオンタイムレースが始まります。ISDE(インターナショナルシックスデイズエンデューロ)との違いはわかりやすくて、ISDEは1日300kmくらい走るレースで、歴史がある国別対抗のトロフィーチームが基本のレースです。エンデューロGPは個人で参加できるシリーズ戦で、走る距離も短いです。ISDEは壮大な市民マラソンとも言えますが、全体的なレベルが高いエンデューロ GPはフルアタックの世界レベルの走りを見れます。観客への配慮もされていて、公道の移動ルートを回りながら観戦できるようになっているんです。

2018年、増田まみさんと菅原聖子さんがGPのウィメンズに参戦され、私も彼女たちのライブ配信を応援していた一人です。この年、レースを止めようと思っていたんですが、この笑顔を見たら『世界へ行ってみたい!』と心を揺さぶられたんです。世界に行くと新しい世界が見えるはずです。ぜひ応援に来ていただいてもいいですし、一緒に出てくれても嬉しいです(笑)」

 

パリダカ、ダカールラリーでのレジェンド菅原義正さんは、現在はアフリカエコレースに参戦し、日本人参加者のサポートも行われています。

「ティエリーサビーネの『冒険の扉を開けるのは君だ』という理念の元、色々な国を通りダカールへ行くというのがパリダカの姿でした。41歳で挑戦をはじめ36年やり続けました。ラリーが南米に移っても、アルゼンチンからチリへと国を超えていたんですが、私が参加した最後の年はペルーだけでやったんです。それはサビーネの精神に反するんじゃないかと疑問が湧いたところへ、篠塚建次郎さんがアフリカエコへ参加されていて、『まるっきりパリダカと同じだよ』と言うんです。そこからこのレースへの参加が始まりました。モナコでスタートしてリエゾンでイタリアを少し走り、船で2日かけてアフリカ大陸へ入ります。ぜひ私も参戦を続けたいですし、若い人もきて欲しいと思い続けているんです。

競技に参加するための技量ですか? 全然、問題ないです(笑)。みんな優しくしてくれるんですよ。ダカールはすぐにペナルティなど取られたり規則が多いんですが、このラリーはリタイアした選手もカミオンバレーで拾ってくれて、次の日にスタートもさせてくれるんです。ただ、国内でコマ図ラリーはやっておいたほうがいいですね。コマ図を見過ぎると運転がおろそかになりますから。

今年は6輪駆動車でサポートしたいんですが、コロナの関係で車両運搬などの問題もあるかもしれません。杉村さんとはハイラックスの後ろにトレーラーを引いてサポートしようかなと話しています。主催者がタイヤなども運んでくれるので、サポート面では問題ありません」

そんな菅原さん、増田まみさんの本誌での挑戦記でもご紹介させていただきましたが、日本事務局も主催されていますので、興味ある方はぜひチェックしてみてください。

https://www.africarace.jp

 

北海道からリモート参加された春木久史さんは取材だけでなく自身も完走した経験のあるISDEについてわかりやすく説明してくれました。

「ISDEは国代表チームの対抗戦というのが基本ですが、おそらくみなさんが関心を持たれているのが、クラブチームでの参加ですね。こちらも基本はチーム(3名)でないと参加できないんです。今年のフランス大会は、5月15日までプレエントリー、6月1日〜7月18日まで最終エントリーがされます。日本から参戦するにはMFJにエンデューロライセンスとFIMのインターナショナルライセンスを申請するんですが、現在は誰でも取得できるようになっています。エントリーフィーは900ユーロ(1人)、女性ライダーは750ユーロで、他の大会も大体このくらいです。
アマチュアも多く参加しますが全体的にはかなりレベルが高いです。日本ではJECでいうとIBのトップ6くらいなら確実に完走すると思います。

杉村さんはNBですが、そういうライダーでも完走できないとは言えないんですね。色々な取り組みがあって、前回日本人初のゴールドメダルを取得した釘村忠選手のようにトロフィーチームで高みを目指す取り組みもあれば、一方で6日間を完走しようという取り組みもあります。杉村さんのようなライダーはラリーのようなメンタリティで取り組めると思います。ただ、日本のレースとは色々違いますから、海外のレースの経験が長い人は完走に近いのではないでしょうか。

ISDEにいずれ出場したいと思っていらっしゃるなら、今年のような機会を掴んで、一度は見て欲しいですし、事情が許すなら思い切って参加して欲しいです。実際に見ないとわからないこともたくさんあります。参加することで日本との違いや、自分に何がかけているのか、それが分かって、次のステップに進めると思うんです。またエンデューロGPのトップレベルのライダーたちと1週間同じ時間を共有できるのは素晴らしいことです。

ISDEは100年の歴史があり、アマチュアが参加できる仕組みがあります。レーシングサポートとレンタル、ピットサービス込みで35〜45万円くらいで受けられます。今回のフランス大会はほぼ全てのメーカーサポートがあります。ビバーク大阪ではバイク、資材のコンテナ輸送を一括で行う計画があるので、自分のバイクで仕上げたバイクで調整できるのは大きいですね。

最近のISDEの傾向ですが、過酷な6日間のレースだったのが、2000年を境にエンジョイ傾向になり、難易度が低くなったんです。しかし、2013年のイタリアサルディニア大会(太田ファミリーが参加)から、次第に難易度が上がって来ています。2017年フランス大会は滑川さん、前橋さんと日本のIAライダーでもオンタイムで走るのが難しかったほどです。タイムリミットが60分から30分へ短縮しましたが、それ自体が難しいのではないのです。完走が厳しいライダーには何分あってもすぐに時間を使い切ってしまいます。どのタイムチェックでも余裕でつくくらいでないと6日間走れないのです。それだけに取り組みにやりがいがあると思います。

いろんな準備が整ってから参加したいと思われるかもしれませんが必ず何か不足があるものです。
行きたいという意思があり、1つでもいける条件あるなら、足りないものは後から詰めて行ったほうがいいと思います。

おそらく杉村さんは完走しないと思います。でも完走しないからと行って参加する価値がないわけではない。
前回参加された滑川さんも言われていたように、参加してそのコミュニティの中で情報交換をしたり、友人を作ったり、エンデューロとはなんなのか知ること。それ自体に大きな価値があると思うんです」

 

今季エルズベルグロデオにGASGASで参戦を表明した藤原慎也選手も登壇!

「エルズベルグは日本人は1人(田中太一選手)しか完走していないレースです。私は全日本トライアルの活動の一方で、2015年からハードエンデューロ に参戦していまして、当時ダートスポーツでのライテク記事で『刺す』という技を紹介した時に『ぶっ刺し先生』という名前をいただき、その呼び名でハードエンデューロ の世界では知っていただけています。G-NETにも温かく迎えられて来ました。先月G-NET特別選抜戦に参戦した(過去1厳しいレースだった)のですが、優勝できました。そのとき走りながらエルズベルグの映像が頭の中に流れていたんです。『この優勝を機に挑戦してみよう』と日本人2人めの完走者となるべく決意した次第です。レンタルマシンで日本人2人めのフィニッシャーを目指すのは厳しいので、セッティングを詰めてGASGASをしっかり仕上げて持って行く予定です。これからハイスピードの練習をして絶対に完走者になるので応援よろしくお願いします!」

 

エルズベルグへの参戦、シコクベルグなど日本での採石場を使ったレースの主催などで活躍する石戸谷蓮選手。

「このレースを知るきっかけはKTMに乗っていた時期の田中太一さんからの影響です。矢野和都選手とも練習したりと、身近な存在ではありました。自分にとって高い目標を課したほうがレベルが上がると思い、エルズベルグへの挑戦を掲げたんです。エルズベルグは700年くらいの歴史のある採石場なんですが、日本にも大小800箇所の採石場があります。2020、2021年にシコクベルグという国内最大級のハードレースを主催しましたが、そのルートの試走自体が、エルズベルグにより近い環境で練習できているんです。

前回のレースでは25のチェックポイントのうち13まで行きましたが4時間でタイムアップ。そこで140位くらいでした。参加者1800人のうち、予選突破が500台 。この予選はめちゃくちゃ怖いんです。時速100km/h以上出しながら10分くらいで標高600mくらいまで駆け上がるんです。決勝はそんなに怖くなく、レースの後半は分かっている人だけが残るので危なくないんですよ。

参加費は80〜100万円あれば足りますね。時間に余裕があるなら安い航空券でもいけます。ビバークのコンテナにマシンを積めば、現地でのマシンレンタルも不要なので、かなりリーズナブルになりますね。僕は大体1週間滞在でアパートメントタイプのホテルで、自炊しています。外食は1日1万円で足りないくらいで高くて不味いので。

FIMのハードエンデューロ選手権で予選があるのはエルズベルグだけです。1DAYで終わるレース。ルーマニアックスはマラソン系のロングライドですが、エルズベルグはかなりスプリントで、距離も38kmくらいしかありません。
その分セクションの難易度が高いのです。スピードに自信があるライダーでトライアルの技術があるとコンバートしやすいですし、メディアへのプロモーション能力が高いイベントだと思うので、ぜひ挑戦してみて欲しいです」

 

今季もカワサキから全日本モトクロス選手権IA1に参戦する能塚智寛選手も登壇。

「今日は色々なオフロード競技を知ることができました。今はまだ25歳なんですが、これらのレースにも興味あるので後々はやってみたいですね! 今年はカワサキと契約して2年目となります。今年こそ全日本モトクロスIA1のチャンピオンを目指していきます!」

 

 

ビバーク大阪の杉村晋吾氏は『観戦が新たな応援のカタチ・持続可能な関係性』というコンセプトを発表。

まさにそれはサビーネの

私が冒険の扉を示す

開くのは君だ

望むなら連れて行こう

の精神とも繋がる内容でした。

「先ほど春木さんに『杉村は完走できない』と言われて、いきなりつまづいているんですけど(笑)、若い人にどんどん海外レースに挑戦して欲しい。そしてそれを踏み込んで応援したいと思います。僕も色々とスポンサードをしていますが、現金でサポートする行為には正直抵抗があります。それよりも『応援に来てくださいよ』と言われたほうがいいんです。現地で応援、それがサポートにつながればと思い、プログラムなどを考えました。若い人が世界に行けるチャンスになるかと思います。扉を開くのは自分たち。僕に連れて行ってもらうのではなく自分で行って欲しい。行くなら応援します」

具体的にはマシン輸送料の一部を出場選手に還元する試みです。サポーターが増えることでレースは盛り上がり、選手の負担も軽減。継続的な参戦の可能性を高めるという考えです。

2022年海外観戦ツーリングとして

エルズベルグロデオ観戦&欧州8カ国 15日間

ISDE観戦フリーツーリング 8日間

エンデューロGP(ドイツ)、AER(モナコ)観戦の内容を発表。

偶然にも日程が合い、ルマン24時間レースを観戦後、ツーリングしながらエルズベルグロデオ観戦を経て、欧州を周遊するという夢のようなプログラムも発表されています。菅原さんのガレージがルマンコース近くにあることで、様々な活動がしやすいということです。

 

具体的な内容は今後さらに決まり次第発表されると思いますが、内容は下記からぜひチェックをしてみてくださいね!

 

欧州15日間・8カ国&エルズベルグ・ルマン24時間観戦ツーリング

https://bivouacnet.wordpress.com/

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