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ハスクバーナモーターサイクルズ、最新エンデューロバイクインプレッション
2024モデルのハスクバーナモーターサイクルズ、エンデューロレンジは全車種がフルモデルチェンジ。なかでも最新のFI機構「TBI」を採用したTEシリーズはとてつもない扱いやすさであった!!
PHOTO/ハスクバーナモーターサイクルズ
TEXT/M.Inagaki 稲垣正倫(ANIMALHOUSE inc,)
RIDER/R.Uchijima 内嶋亮
2stroke
TE150/250/300
FIシステムを一新、TPIからTBI方式へ進化した2ストロークエンジンを搭載。排気デバイスを電子制御に進化させることで、エンジンの燃焼管理を飛躍的に向上させた。ファクトリークラスのライダーからも評価は高く、発表直後のエルズベルグロデオですでに実戦投入されたほどの完成度を誇る。TPI世代同様に最少排気量は150ccで、ハードエンデューロのマスターピースTE300も継続ラインナップ
凄まじく乗りやすい
2ストロークの低回転域
ハスクバーナモーターサイクルズの2ストロークエンジンは、2024年モデルではTBI方式が採用されている。電子制御の進化により、燃料噴射、点火タイミング、排気バルブ位置が完全にECUによって制御されるようになり、これが効率や状態管理の大幅な向上と、ユーロ5の排ガス規制を満たすことを可能にした。これまでのTPIよりもキャブレターらしいリニアな特性をもち、よりイージーなマシンに仕上がっているという。
ノルウェーのクリスチャンサン近辺で開催されたハスクバーナモーターサイクルズのグローバルローンチは、ベテランの内嶋亮ですら舌を巻くハードなロックが続く難しいコースでおこなわれた。この難易度こそが、新TEシリーズを理解する鍵だったのかもしれない。
内嶋は言う。「このコースのスピードはかなりローレンジ。エンジンも低回転領域をメインに使うため、TE250/300の良さがとてもわかりやすかったですね。浮き岩が転がる難しいセクションでは、タイヤにかかる負荷とエンジントルクのバランスを探りながらトラクションさせる必要がありますよね。こういったセクションでは速度を落とすと再加速が困難ですが、新しいTE250では容易に速度を回復できました。様々なシチュエーションで楽に走ることができるでしょうし、ノンストレスです」
同じくTBIを手に入れた新TE150については「まさにビギナー向け」と内嶋は評価する。「上級者からすると理解しづらいかもしれませんが、高回転まで回さずとも良く走り、250ccの2ストロークマシンのようにトルクに振り回されることもないです。特に小柄なライダーや女性には150ccが適していると感じます」とのこと。
4stroke
FE250/350/450/501
熟成を重ね、さらに軽量かつコンパクトになった最新の4ストロークエンジンを搭載。ミッションやクランクなどほとんどのエンジンパーツ、そしてフレームが新設計にアップグレードされている。ベースになったモトクロッサーのFCシリーズとはボアスト比から設計が異なり、エンデューロへの本格的な開発が随所に見える。前世代と排気量のラインナップに変更はない
4ストロークのバランスの良さも際立つ。FE250はボアを拡大し、ショートストローク化を進め、エンジンの高さを抑えつつ各部を見直している。エンジンの搭載角度も2度後方に傾斜させ、マスを集中し、ハンドリング性能を向上させたと言う。
「試乗したモデルの中でも、乗りやすさが秀でていました。全域でマイルドで、開け口からピークパワーまで一定の出力が得られます。また、エンジンの軽量化とマスの集中化により、以前のモデルよりも軽快に車体が反応してくれますね。大排気量の450/501も以前よりエンジンの脈動を感じづらくなっていることが好印象で、このノルウェーの難しいコースでも難なく走ることができるほどの出来映えでした」と内嶋も高評価だ。
オープンカートリッジからクローズドカートリッジへ進化した新型WPサスペンション。底付き防止の機構も採用され、内嶋も「旧世代より安心感が増している」と評価する
スイングアームまでモデルチェンジ。チェーンガイドのステーに岩などを引っかけ破損することがないよう設計されている
ブレーキはトライアルで定評のあるブレーキテック社を前後に採用
大きくなったステップはスタンディングしやすい
スイッチ類のほとんどが再設計され、これまでよりも誤操作がおきづらい形に
電子ヒューズになったことで、スペアヒューズは不要になった
ノルウェーの難コースで真価を発揮した2024ハスクバーナモーターサイクルズに、注目したい。
ハスクバーナモーターサイクルズジャパンウェブサイト
https://www.husqvarna-motorcycles.com/ja-jp.html
この記事の著者について
- キース宮崎
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