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6月21日(土)〜22日(日)、SMJ全日本スーパーモタード選手権第3戦が、福島県のエビスサーキットで開催されました。今年も、名物の大ジャンプや長い直線部を細かい切り返しでつないだ特設コースです。正直あまり得意とするレイアウトではありませんが、これまで自分を苦しめてきた問題の解決につながる新しい発見をし、ヒート2では5位と今期初入賞をする事が出来るなど、実りの多い大会となりました。

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■前日練習
前日の練習走行が4本あり、体力の消耗を軽減するため本番用のPRIDE ONEを着て走ります。今年は苦手意識の強いダートセクションも、例年になく気持ちよく走ることが出来、ターマックセクションでは課題の立ち上がり重視のラインに心掛け、単独走行では手ごたえを感じていました。ところが、他のトップランカーのマシンに比べて直線部での加速が鈍く、ストレートエンドで簡単に交わされてしまいます。
練習終了後、親しくしている野左根選手(全日本ロードレースJSBライダー)とLOVE+MOTARD(8月2日のモタードスクール)の事や、今日の練習走行について話をしていると、ファイナルについて自分の考えと真逆の事をしている事に気がつきました。桶川スポーツランドでも鋭い加速を見せつける野左根選手ですが、低いギヤを細かく使い、エンジンのおいしいところを引き出して走っているようです。

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■公式練習
決勝当日は朝から小雨模様です。前日に得たヒントを元にファイナルを大きく変更することにしました。雨が降り続く完全なウェットコンディションにおいて、新品のミシュランモタードレインタイヤは素晴らしいグリップ力を見せ、フルバンクに近い角度でコーナーをクリア出来ます。変更したファイナルは正解のようで、前日以上の加速が可能になり、公式練習では4番手タイムとなりました。

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■タイムアタック
雨はほぼ止んで所々路面が乾き始めましたが、雨で緩んだダートセクションは、次第に荒れて来ました。ターマックでは乾き始めた路面にフロントタイヤが悲鳴を上げ、フルバンクに持ち込むとブレイクしそうです。リアタイヤも横方向に空転を始めますが、抑え込んで走ります。全力を出し切りましたが、結局タイムアタックでは9番手となりました。

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■ヒート1
気温の上昇とともに急速に路面が乾いてきましたが、ダートセクションにはワダチが出来、タイヤについた土が裏ストレート入口付近まで伸びています。選手紹介後のサイティングラップで、ダートセクション後の二つ目のコーナーでリアからスリップダウンをしてしまいました。土が出ている所ではかなり滑りやすいようです。9番手スタートとなった決勝のヒート1、スタートは得意ですが、後方からJAWS増田選手がロケットスタートを決め、先行を許してしまいました。しかし、直後のクランクで新井選手とJAWS増田選手を交わし、8番手に順位を上げました。ダートセクションはワダチのため縦一列でクリアし、先ほど転倒した左コーナーを慎重に走り抜けます。すると直後の右コーナーで前後のタイヤが一気に滑り、立て直す事が出来ず転倒してしまいました。ワダチ走行のためタイヤの全面に泥がついてしまっていたようです。まだ挽回するチャンスはある! そう自分に言い聞かせて、全力で前車を追います。ところがホームストレートに戻り、右に降りるように曲がるコーナーの直前で、白線に乗ってしまったのか、フロントから叩きつけられるように転倒してしまいました。マシンのダメージが大きく、ハンドルは右に曲がってしまいました。前車と大きく離れてしまったため、10周のレースで追いつくことは出来ないと判断し、ヒート2に向けてタイヤを温存して走り続け、13位でヒート1を終えました。

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■ヒート2
夕方になるとアスファルトには更に土が出始め、各クラス転倒者が続出する荒れたレースが展開されました。ダートを考えレインタイヤで走るのか? ターマックを考えスリックで走るのか? 難しい選択となりました。一度は前後スリックタイヤに替えましたが、直前に行われたS1 OPENクラスの決勝中に雨が降りはじめ、路面は一転してウェットコンディションです。S1 PROクラスの決勝が始まる頃には雨脚が一気に強くなり、コースには川のような水の流れが出来てきました。
コースインしてダートを確認すると、ワダチの深さは更に深くなり、ジャンプ手前は大きくえぐれています。裏ストレート入口には深い水たまりが出来、マシンを立てて進入しないと、グリップを失いそうです。
選手紹介後のサイティングラップ、裏ストレートを上り切ったところで、直前を走っていた金児伸二選手が突然転倒しこちらに滑って来ます。接触を避けてグラベルに逃げましたが、濡れた草が生い茂りグリップを得られず減速出来ません。グラベルの先には裏ストレートから戻ってくる選手が見え、このままでは正面衝突の危険があるため、右に倒してマシンを止めました。アクセルとブレーキは赤土にまみれてしまいましたが、グリッドに戻るとサポートの牧野さんが手で丁寧に拭ってくれたおかげで、レースは続けられそうです。
コースコンディションは非常に悪いものの、ヒート2では結果を残したいと気合を入れ直し、スタートに集中します。金児伸二選手のリタイヤにより8番手スタートとなりましたが、再びJAWS増田選手がロケットスタートを決め、先行を許してしまいました。ダートセクションに向かう長いストレートで新井選手に並びかけますが、ブレーキングでどれだけグリップするのか分からないため、一旦率いて様子を伺います。ジャンプを飛び、裏ストレートの上りでも新井選手に並びかけますが、1周目は様子を見ようと下がりました。ホームストレートに戻り1コーナーの進入で、新井選手がハイサイドを起こして転倒。やはり、水の流れが発生している所では、慎重に走る必要があるようです。
今度は五十住選手を追走します。やはりストレートでマシンが良く加速してくれ、十分ついて行く事が出来ます。すると今度は五十住選手も1コーナーでハイサイドを起こしかけたため、これを交わし7番手に順位を上げました。
雨が小降りになったことで水たまりや水の流れが落ち着いて来ましたが、ここからはヒート1の反省で無理をせず、冷静に走る事に切り替えます。しかし、ますます荒れていくダートセクションでは、ジャンプ前のワダチの処理が上手くいかず、失敗を繰り返すことで走りが小さくなって来てしまい、レース中盤にはジャンプ手前でバイクが横を向き、ジャンプ台から落ちそうになり、大きくタイムロスをしてしまいました。ここで、後方の吉田選手に追いつかれてしまいましたが、再び突き放そうとペースを上げます。
8周目には、自身のファステストラップを刻みますが、五十住選手が追い上げてきました。残り2周、後ろからのプレシャーを受けながらも、転倒のリスクが高いところでは無理をせず、自分の走りに集中します。レース終盤、ダートセクションに向かう上りの高速コーナーで2台のマシンが転倒しています。先行していた金児隆太選手とJAWS増田選手です。これにより5番手に順位が上がりました。ファイナルラップの最終コーナー、五十住選手が最後のチャンスにかけアタックしてきました。左後方に衝撃がありましたがこれに耐えてチェッカー、うれしい5位入賞でヒート2を終えました。

おわりに
ヒート1の結果は残念でしたが、これまで、エビスに対する苦手意識が強く、このコースを攻略することが自身の課題であっただけに、ヒート2における5位入賞という結果は、これまでの努力の成果であろうと思います。しかし一方で、今回のように荒れたコンディションにおいても、トップランカー達はタイムを伸ばす走りを見せている中、ヒート1の転倒を受けて、慎重になりすぎた点は反省しなければならないと思います。
これまで悩んでいたマシンの加速不足について、直線の長いエビスでは顕著に表れやすく、前日の練習走行では改善がみられるものの、まだまだ不足を感じていました。しかし、決勝当日にファイナルを見直すことで、他車と遜色ない加速を示した事は、大変な収穫でしたので、今後のレースにおいても試して行きたいところです。

 

■プロフィール
S1PROライダー
所属チーム:STELTH FIGHTER Club MotoRoman
#8 坂牧隆夫(さかまきたかお)
ライセンス区分:MFJスーパーモタードA級
生年月日:1972年6月15日
住居:埼玉県さいたま市
2013年 全日本スーパーモタード選手権 S1PROクラス ランキング8位

坂牧選手は関東のモタード普及活動に力を注いでおり、自ら先頭となって開催しているLOVE+MOTARDがこの夏に開催されるので、モタード初心者からレースで伸び悩んでいる方も是非参加してみてほしい。

 

LOVE+MOTARD 6th (モタードスクール)
日時:2014年8月2日(土) 9:00〜17:00
場所:埼玉県 桶川スポーツランド
内容:サーキットに来た事のないモタード乗りの方には、モタードの遊び方を。
サーキット初心者〜上級者までは、クラス分けしたスクールを実施
募集:各クラス10〜20名(モタードorトレール車両)
メール連絡先:lovemotard@aioros.ocn.ne.jp
ホームページ:http://www.lovemotard.com

 

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