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まず最初に誤解のないように、説明させていただきます。
日本のクロスカントリー&エンデューロライダーも世界で活躍出来る日が来る事を望んでいますし、その為にもモトクロスのトップライダーがエンデューロへ本格参戦していることは、本当に大歓迎なんですよ。

が、オレみたいに、プロを目指してやってきたわけではなく、ただ純粋にエンデューロ&クロスカントリーライディングが好きだったライダーは、似たような境遇のライダーに、強い思い入れがあります。

最近はお互いの事情もあり(主にオレにwww)全く会えていませんが、オレの知る限り彼ほどストイック&ピュアな姿勢でクロスカントリー&エンデューロに取り組んでいるライダーは他に知りません。というかみんなにもそのストイック&ピュアな姿勢を、ほんの少しでも真似して欲しいと思い、澤木千敏を紹介させてもらいます。

今の日本の(いや世界もか)レースにおけるクロスカントリー&エンデューロレースでのモトクロスのスキル&スピードの重要性は、今更オレが語る必要なんてないと思います。そんな中で、全くの素人(モトクロス経験の少ないって言う、良い意味でのね。気を悪くしたらごめんなさい)のライダーでも、きちんと取り組めばここまでやれる! という事を見せてくれる数少ないライダーが澤木です。今のJNCC、JECもMXIA、IBのライダーばかりが目立つ中、モトクロスキャリアを経ていないライダーってどのくらいいるのかな?
澤木君も多少はやっていたようですがね。

オレが言いたいのは、彼の純粋に結果を求めるために行う姿勢です。
久しぶりのレースでトップライダーに食い込む結果を残す事のすごさ、しかもスピード勝負な月山で。普段からのバイク以外のトレーニングなど、レースに対する取り組み姿勢が本当に真面目なんです。

そんな彼も今は小さい子供をかかえて、仕事も決して楽でない中、しかも久しぶりの約3年ぶりのJNCC復帰で、初戦はいまいちな結果だったらしいけども(あくまで彼自身が言うにはね)、今回のJNCC月山でのレースは素晴らしかった! 川渡りが多いイメージの月山ですが、今の上位陣のライダーにとっては水没などのトラブルがなければ、ほぼ差の出にくいレースです。月山を勝つのに必要なスキルのうち、特に重要なのはモトクロス的なスピードと3時間をきっちり攻め切れる体力でしょう。他の会場でも同じ事が言えますが、特に月山では際立っていると思います。上位に入るようなライダーは、いわゆるエンデューロスキル(前に走っているライダーのラインを見極め、瞬時に頭とラインを切り替えたり、トラクションが得にくい路面の中うまく走る技術など)は、他の大会に比べるとそこまで重要ではないと思います。いざスタートし、結果を見てみれば…クラス優勝、総合でも上位でレースを終えているじゃないですか? スピードもそうですが、普段からの体力トレーニング&レースに対する取り組み方&意識の高さの賜物でしょう。しかも上位は数秒差で順位が入れ替わるようなまさに3時間のスプリント! そんな中並み居るモトクロスライダー相手にしっかり結果を出せるのは、まさにミスターストイック澤木千敏の真骨頂だと思います。

澤木君のレースへの考え方、取り組み方、マシンの整備、スポンサーへの気配り、レース中の行動…真似して欲しい所が挙げればキリがないほどです。彼はウィークエンド以外はみんなと同じで、朝から晩まで普通に仕事していて、どこかのバイクメーカーに勤務しているわけでもなく、レース活動をしやすい環境にいるライダーでもありません。まぁ普通そんなのオレもだよ。って、思うよね。でも、彼は仕事以外の少ない時間をきっとみなさん以上にレースに注いでいると思います。

レースウィークになれば、食べ物に気を配り(そこらへんは奥さんの協力必須もですね)、トレーニングも筋トレ主体ではなく、基礎的なことを徹底的に繰り返す。普段の練習ではダラダラ練習することはなく、誰よりも早く到着し、誰よりも内容の濃い反復練習をする。ミスのなさを徹底的に追求し、そしてやるだけやって早めの帰宅&整備。と言う練習方法らしいです。
みんながみんな同じように、真似出来ればいいんでしょうが、これを実行するには家族を含め、本人の意識も相当高めないと続かないと思います。日本のいわゆるエンデューロ、クロスカントリーレースはアマチュアのレースですが、ここまで自分を追い込んでしっかりやってみると、また普通にレースしている以外に見えるモノが違ってくると思います。
オレもこうなる前(モンゴルでの大転倒ね)には自称ライバル!?(笑)でしたが、澤木君のそのレースに対する行動や心構えを、本当に尊敬していました。

みんなそれぞれのスタイルがあると思うので、みんながみんな澤木君のようになればいいとは言わないけど、こういう風に真剣に取り組んでいる人がいて、しかもしっかり結果を残している! という事実を知って欲しいのです。オレはまた一緒にレースでそんな澤木千敏選手とライバル関係になれるように、今の自分の出来る事から少しづつ続けていこう! と、思いました。

毎戦毎レースしっかり悔いのないような走りをしたいと思っているアナタには、ぜひこの「澤木千敏」スタイルと真似してみるのはいかがでしょうか!? 同じサンデーライダーでもあるみなさんにもぜひ同じレベル! とは言いませんが、前向きに真剣に努力する姿勢を見習っていただきたいと思い今回のコラムの題材にさせていただきました。
もちろん上位陣のMXライダーがみんな家で飲んだり食ったりしていてそのまま寝ていると言っているわけでもないですので、これまた誤解のないようにね(^ー^;A

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この記事の著者について

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池田 智泰
ラリーでの負傷から休養中のエンデューロライダー。JECPROに所属していたことも
2010年/ISDEメキシコ大会 ワールドトロフィー
2009年/JEC(MFJ全日本エンデューロ選手権) シリーズチャンピオン
2007年/ISDEチリ大会 ワールドトロフィー シルバーメダル
2006年/ISDEニュージランド大会 ワールドトロフィー シルバーメダル