※このインタビューは2015年の秋に収録したものに、加筆修正を加えたものです。
「日本は、世界で一番タフなマーケット」
今後のハスクバーナのブランディング戦略について教えてください。特にKTMとの差別化については?
「どこが異なる、というよりも元々違うものだと思っています。特にモトクロスレーシングに関しては、チームも違うし、セットアップも違うし、ホスピタリティも違う。もちろんメカニックも違うし、ライダーサポートも違う。そう考えると、競争相手としてのKTMは、ホンダやヤマハと変わりません」
日本のメーカーに対してのライバル心や、自分たちは「ここが違う」という部分は?
「レースで求められるものは、最終的にはリザルトだと思っています。だから他のメーカーとの違いを出すにあたり一番大事なのは『勝つこと』であって、チャンピオンチームになることが圧倒的な差別化に繋がると思っています。ただ戦略的には、他のメーカーは様々なカテゴリーのレースをやっていて、逆にブランドをうまく広められていないのではないかと思う部分もあります。我々ハスクバーナは、まずMXGPとAMAに極端にフォーカスして、そこにブランディングを集中することで効果的にブランドイメージを広げることができていると思います。ただ色々なレースに顔を出すのではなく、参加するべきレースを見極めてそこから広がるブランドを意識しているか、の違いがあるのではないでしょうか」
マシンなどのハード面で差別化を意識している部分はありますか?
「究極的に言えば、エンジニアリングとしての大きな違いはそれほどないと思っています。結局は機械なので、何馬力違うとか、細かい部分が違うとか、レースというレギュレーションのなかでおこなっている都合上、それほどの違いはないでしょう。ただ決定的に違うのは、我々のレースバイクは、一般の人に売っているものをレースで使っているし、レースで使っているものを一般の方に販売している。それをメッセージとして一般の人に伝えることができます。他メーカーとファクトリーバイク同士を比べたら違いはないかもしれないけど、ファクトリーバイクと同等のものを一般の方が買える、というのが我々ハスクバーナの強みでもあり、メッセージだと思います」
日本のマーケットに期待することは何ですか?
「日本は世界で一番タフなマーケットだと思っています。なぜなら、我々がレースで戦っている相手メーカーの母国なわけですから、そこで成功するのはとても大変なことでしょう。ただ商品力自体には自信があるので、2016年モデルのモトクロッサーやエンデュランサーを日本の市場に投入することで、徐々に一定の地位を築いていけるのではないかなと思っています。一気に成長することは難しいかもしれませんが『一歩ずつ』が大事だと思います」
vol.03では、まさかの逆質問タイムに!? 続く。
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