仕事として工具の販売店をやっていると、やはりユーザーさんの工具箱の中とかは気になってしまうもんです。
最近はインターネットのおかげで一般の人も整備や工具の情報を仕入れる事が容易になりましたので、プロの目から見ても「お!」と思わせる工具を使っている人も多く見掛けるようになりました。
それでも逆にいえばネット等であまり語られる事のない地味系の工具は、今でもプロメカさんが便利に使っていたりするんですね(別に内緒にしてるわけでもないんですけどね)。
今回はそんな地味系ながらプロの工具箱を覗くと、かなりの確率で入っていたりする工具の紹介です。
どんなレンチを使ってますか
ダートバイクを整備するときにボルトやナットに対して使う工具といえば代表的なのは、T型レンチやラチェット&ソケットだと思います。
あとはそうですね……他に思い浮かべる工具としては、めがねレンチとかコンビネーションレンチとかですよね。
でも、そういったいわゆるレンチってダートバイクをさわる時には使用頻度低くないですか?
もちろん理由もあって、そもそもバイク自体が普段の軽メンテナンスだと『ちょっとだけ奥まった箇所にあるボルト』な事が多くて、めがねレンチとかでは整備しにくいんですね。
また小さめなボルトナットが多いのでなおさら軽快に使えるT型レンチ等が重宝されたりする傾向があります。
※写真は超軽量レンチとして人気のアサヒのライツールシリーズ。
もちろん全然使わないってわけじゃないので、みなさんの工具箱の中にはかなりの確率でコンビやめがねレンチが入っているとは思います。
実際リンクまわりの整備とかフレーム関係とか、そういった14mmとか17mmがメインになる箇所での整備には活躍しますしね。
ただし。
やっぱりダートバイクだと多い8mmや10mmの小さなボルトナットではイマイチ……って私でも思います。
そこでですね。
工具店の店主であり、ダートバイク乗りである私が超絶オススメの工具を紹介したいと思います。
ボックスレンチってなんだ
レンチがイマイチの主な理由が先述した『ちょっとだけ奥まった箇所にあるボルト』の存在です。
例えばシェラウド等の外装を留めてる8mmのボルト、そしてブレーキやクラッチのクランプを留めている10mmのボルト。
これらはちょっとだけ奥にあるんです。
これが普通のコンビネーションレンチやめがねレンチでは回せないんですね。
こういうボルトナットが多いのでなおさらT型レンチが便利だったりするのですが『持ちだして使う』場合にはかさばって不便だったりもします。
それならラチェットとソケットを使えば良いのですが、こう…なんつーかもっとコンパクトでササっと使える工具ってないのかなーって考えてみると。
あるんですよ、はい。
それも結構な古典工具のひとつでもあるこれ。
両端にソケット形状のボックスが付いているレンチでして、先端は任意の角度にグリグリ動かして使うことが出来ます。
これは両端にソケットがついているバージョンなのですが、片側がボックスで片側がスパナのコンビネーションタイプも存在します。
しかしダートバイク用に使うならこの8×10mmのダブルフレックスがオススメですね。これ1本で日常メンテナンスのほとんどをカバー出来てしまいます。
この工具、実はかなーり昔からある古典的な工具なんですけど、なぜかサンデーメカニックさんにはあまり紹介される事がなくて知らない人が多いんです(知ってても使ったことないとかね)。
ところがこれ、プロの現場にいくとかなりよく目にする工具のひとつでもありまして、一度使ってみるとその便利さにちょっとびっくりすると思います。
例えばさっきの外装の脱着。
こんな感じに奥まった箇所の8mmボルトに楽々アクセスしてボルトを回すことが出来ます。
またT型レンチでは結構面倒なフロントアクスル作業時のココとか……。
10mmのネジにもバッチリ対応。(BETAは8mmですけどね)
レンチの全長もそこそこあるのでトルク的にも充分です。
ヘッド部分のソケットはグリグリ動きますので。
トルクが掛かってない状態なら、こんな風に真っ直ぐにしてソケットドライバーのようにクルクル回してあげれば、そこそこの早回しにも対応します。(T型レンチには負けますけど)
イメージとしては、走行終了後のモトクロッサー。
洗車場までバイクを押して持っていく時に、このレンチを1本ポケットに入れていきます。
転倒で少しずれてしまった操作系の微調整とか、外して洗う事になるエアークリーナーの脱着時とかね。
ちょっとしたメンテンナンスならばこれ1本でほとんど済みます。
そしてこれ1本でかなりの作業がなんとかなっちゃうならば。
エンデューロやXCレース参加時のキャメルバッグにも。
1本差し込んでおくだけでリタイア率がグンと減るんですね(林道ツーリングにもGood!)。
レース中に走行不能になる事ってエンジントラブルとかよりは大抵操作系が原因ですからね。
8mmと10mmのボルトがちゃんと回せるってだけでなんとかなる事も多いんです。
工具自体は製造にコストの掛かる工具なので少し割高に感じるかもしれませんが、ダートバイク用なら1本だけ持っていればいいので、あまり負担にはならないと思います。
知らなかった&使った事なかったー、なんて人もぜひ一度お試しくださいませ。
自分のトコのWebサイトでも日々いろんな工具を更新しております。
ブログももうちょい専門的なの書いてますので見てやってください。
Webサイト:https://www.abit-tools.com/
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