奇しくも本誌岸澤の愛車はデザインや基本が2014年から2018年まで続いたYZ250F後方排気の第一世代の2015年型。そして、比較するのにはもってこいのコンディションとなったスポーツランドSUGOのマディコンディション…。
本筋のインプレッションはダートスポーツ10月号(8月24日発売)のIAワタライを参考にしてもらうとして、現YZ250Fユーザー、サンデーモトクロスレーサーの目線で書かせて頂きます。
今までのYZ-Fシリーズは450も250も中〜高回転型のピークパワーでライバルに差をつけれるのがポイントで、スプリントやモタードモデファイをした際の武器だった。
しかし、今回のようなマディ路面ではそのピーキーな特性が仇となって逆にアクセルを開けれない状況に陥り、ストレスと疲労でレースを台無しにしてしまう。
2019年型YZ250Fのエンジン特性は前年型YZ250Fのピークパワーを保ちつつ、中低速を豊かにしたのが特徴的だった。それはツインカムの良さを持ちつつ、SOHCエンジンのようなピックアップの良さ。以前乗っていたユニカムCRF250Rの良さとYZ250Fのピークパワーが合わさったようなフィーリング。
そして何よりも恩恵を感じたのがセルスターターの存在だった。マディコンディションでも自分の2015年型YZ250Fよりハンドリングもトラクションも優れている2019年型。迷わず走らせれば破綻する事なく走破できるコンディション。ただ、降雨直後の重いマディとなったコースの無数な轍や踏みつぶせきれない泥の轍に躊躇をし、フロントをとられ転倒する事数回。重いマディからバイクを立て直し、再始動もセル一発でエンジン始動。もし、自分の2015年型YZ250Fだったら、体勢をたてなおし、バイクに股がり、キックを踏む事数回。スプリントレースだったらこの時点で体力消耗とともに、戦線離脱だ…
またコンディションに合わせてきめ細かくセッティングできるパワーチューナーの存在も心強い。以前は泥だらけになった車体からパワーチューナー用のカプラーを掘り出し、泥を落としてからの接続。2019年型はスマートホンでの無線セッティングを可能としたのだ。
今回の試乗会のコンディションでも、2019年型YZ250Fの進化を体感できる機会だった。ただ… やっぱり晴天のもと、爽快に走らせたかったのが本音。近々晴天のホームコースで2019年型YZ250Fを走らせる予定だ。
PHOTO/D.Miyazaki 宮崎大吾 TEXT/H.Kisihizawa 岸澤秀夫ダートスポーツ8月号、9月号(発売中)にテクニカル記事の掲載、10月号(8月24日発売)にインプレッション記事を掲載致します。
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